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香川真司 10年前

マンU指揮官の試合分析に現地識者が一刀両断「あれでいいプレーなら今後が心配」「何がしたいかわからない」

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「エヴァートンが見せたような力強さと素早さはユナイテッドに見られなかった」

――ヨーク解説者

「確かにスタッツを見ればユナイテッドがボールを支配していたのが分かるが、それに見合うプレーを見せたとは思わない。キレがなかったし、自陣でのパスが目立ち、中盤からエヴァートンの守備の裏に出されたパスはなかった。エヴァートンが見せたような力強さと素早さはユナイテッドに見られなかったし、そうしたプレーは不安要素の一つだ。

 モイーズはこれまでアウェー戦で好記録を維持していたし、古巣のエヴァートンで結果を出したかっただろうから、敗北に失望しただろう。10日間の調整期間があったから選手たちは万全な状態で試合に臨むことができるはずだったが、それも見られなかった。

 モイーズは信頼している選手たちに裏切られたということを学んだだろう。彼はユナイテッドが4位以内に入れないという事実と成績不振を反省しなければならない。軍資金を使って選手を補強する必要があるが、モイーズは来季開幕から好スタートを切らなければならない。そうするためにも、彼は自分がユナイテッドの監督であり、タイトルを争うという意志を示さなくてはならない」

 一方、BBCのマッチオブザデイの解説者2人は次のように評した。

――ダニー・マーフィ解説者(元リバプールMF/イングランド代表)

「ユナイテッドがボールを支配していたのは確かだが、狭いスペースでのプレーに固執し過ぎていた。マタ、ナニ、香川が中央のトップ下の位置に密集してプレーし、相手の4バックの裏に飛び出す選手がいなかったし、簡単に守られていた。

 サイドハーフの選手が中央でプレーする場合はサイドバックの押し上げがカギとなるが、それもなかった。5人の選手が中央に密集してボールを回す場面もあったが、エヴァートンにとってはマークが容易であり、ペナルティエリア内に侵入できなかった。

 その結果、前半ユナイテッドがゴール枠内に放ったシュートは一本に留まった。マタが中央でボールを持った時もサイドに展開する選択肢を選ばず中央でボールを回した」

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