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香川真司 10年前

マンU指揮官の試合分析に現地識者が一刀両断「あれでいいプレーなら今後が心配」「何がしたいかわからない」

text by 藤井重隆 By Shigetaka Fujii photo by Kazhito Yamada / Kaz Photography

「香川はジョギングで戻っていた」

マンU指揮官の試合分析に現地識者が一刀両断「あれでいいプレーなら今後が心配」「何がしたいかわからない」
香川も監督の信頼を勝ち取り、連続出場はしているが…【写真:Kazhito Yamada / Kaz Photography】

「一方で守備面ではボールを奪い返す意志の弱さを見せた。香川は左サイドでプレスを仕掛けず、コールマンの突破を簡単に許し、それが結果的に失点に繋がった。

 ユナイテッドが相手陣内でボールを失った際、サイドをダッシュで駆け上がるコールマンに対し、香川はジョギングで戻っていた。彼の守備はまるでプレシーズンの親善試合だし、自陣まで戻ってもなおダッシュでプレスに行かずジョギングしていた。

 確かにチーム戦術も結果に影響したが、それ以上にユナイテッドの意志が弱かったし、特に両サイドハーフが悪かった。モイーズはいまだに最強メンバーが分からずにいる。プレミアリーグ最高峰の両サイドバックを有するエヴァートンと対戦する時は、サイドに攻守に走れるバレンシアとウェルベックを起用すべきだし、選手起用を誤ったと思う」

――マーティン・キーオン解説者(元アーセナルDF/イングランド代表)

「ボールを持っている時と持っていない時の役割や責任がユナイテッドの選手に全く見られなかった。昨季、この時期にユナイテッドが立っていた順位を考えると本当に酷い。

 今季の全試合(51試合)で先発メンバーを誰かしら入れ替えているのは選手全員に出場機会を与えているということだろう。チームを決める上でまずやるべきことはシステムを決め、最強メンバーを選ぶことだ。

 ユナイテッドはボールを保持できるが、その次の段階である相手ペナルティエリア内への攻撃が欠けている。一方で彼らはチーム全員で守備をしておらず、中盤の守備の基礎がおかしくなっている」

 CL8強敗退により今季無冠が決まったことで戦意を喪失したのか、10日間の調整期間も実を結ばず、再び低調なプレーを見せたユナイテッド。モイーズ監督に残された望みは、残り4試合で現在6位のトッテナムに食らいつき、欧州リーグへの出場権を獲得することだが、再び泥沼にはまってしまった。

 香川も監督の信頼を勝ち取り、連続出場はしているものの低調なチームのパフォーマンスにのまれるかのように単調なパスに終始し、守備ではコールマンのカウンターにことごとくやられた。次節のノリッチはホームで26日に行われるが、ユナイテッドが今回えぐられた弱点の傷は深そうだ。

【了】

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