ザックジャパンが世界と戦うためのキーワード『香川の剣』と『本田の盾』。日本人らしい香川で勝ち、日本人離れした本田で負けない

“日本代表の日本化”をオシムから引き継いだザックジャパン。それは「香川が生きるサッカー」の確立だ。一方で、日本人の玉際と空中戦に致命的な弱さもある。その弱点を解消する存在が日本人離れしたフィジカルを持つ本田である。著書『サッカー日本代表をディープに観戦する25のキーワード』(4月22日発売、池田書店)の中で清水英斗氏が解説する。

2014年05月03日(Sat)7時30分配信

text by 清水英斗 photo Getty Images
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ザックジャパンは香川で勝ち、本田で負けない

ザックジャパンが世界と戦うためのキーワード『香川の剣』と『本田の盾』。日本人らしい香川で勝ち、日本人離れした本田で負けない
イビツァ・オシム【写真:Getty Images】

「最初にやらなければならないことは、日本代表チームを日本化させること。日本代表が本来持っているクオリティー、力を引き出すことが必要です。そのために初心に帰り、日本らしいサッカーをしようということです」

 ピンときた人もいるかもしれない。これは2006年7月、イビチャ・オシムが日本代表監督に就任したとき、記者会見で語ったことだ。

 今さら、しかもザックを差し置いて8年前のコメントを引用したのは、やはり今のザックジャパンの出発点が、“日本代表の日本化”という、『オシムのバトン』を引き継いだことにあると思うからだ。

 世界中から選手を買い集められるクラブチームならともかく、日本代表は、日本人選手のみでチームを構成するという制約がある。となれば、日本人の良さを生かしたスタイルを築くのは、唯一にして最大のコンセプトだ。理にかなっている。

 日本の成人男性の平均身長は171センチだ。平均180センチを超えるドイツ人やオランダ人とは、10センチもの差がある。ゴール前でパワーや高さの勝負になれば、日本は分が悪いが、わざわざ相手の得意なフィールドで勝負することはない。

 パワーや高さでは劣っても、日本人は俊敏性や持久力に優れ、細かいテクニックもある。さらに協調性を持ち、戦術を理解して実行する能力が高い。強い相手に立ち向かう勇気もあり、何よりも、試合を最後まであきらめない。それが日本人だ。

 そんな日本人の良さを生かしたサッカーとは何か? どんなサッカーだろう? 具体的にイメージできるだろうか?

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