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日本代表 10年前

ザックジャパンが世界と戦うためのキーワード『香川の剣』と『本田の盾』。日本人らしい香川で勝ち、日本人離れした本田で負けない

text by 清水英斗 photo by Getty Images

欠かすことの出来ない「盾」本田圭祐

ザックジャパンが世界と戦うためのキーワード『香川の剣』と『本田の盾』。日本人らしい香川で勝ち、日本人離れした本田で負けない
本田圭佑【写真:Getty Images】

 クローズアップするべきは、本田圭佑の存在だ。182センチという世界と比べても見劣りしない身長と、ボール落下地点の予測を含めた空中戦の強さ。さらに日本人の弱点の一つには、ゴール前のシュート力のなさも挙げられるが、本田はそれにも当てはまらない。

 セットプレーの守備時には城壁としてニアサイドに立ち、マークを持たずにボールを跳ね返す重要な役割も担う。本田の日本人離れしたパーソナリティーは、日本代表の『盾』として欠かすことができない。

 また、『盾』の最たる存在は本田だが、たとえば長友佑都、山口螢といった選手も、日本人らしからぬ球際の強さを持っているし、ザックもイタリアの指揮官らしいディフェンス戦術を、就任当初からチームに授け、カウンターへの対策などで攻守のバランスを整備してきた。その辺りの細かい部分は後の章に引き継ごう。

 ザックジャパンは、香川で勝ち、本田で負けない。本田タイプの『盾』の重要性を、オシムは8年前から見据えていた。就任時の記者会見コメントの続きだ。

「近い将来に身長の高い選手を見つけることです。皆さんご存知のように、これが一つの問題です。これが決定的な問題だとは限りません。身長が高い選手が見つかったとしても、その選手が日本人らしいサッカーをするとは限りません。私が考えているのは、日本選手の持ち味をいかに生かすことができるかということです」

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