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日本代表 10年前

ザックジャパンが世界と戦うためのキーワード『香川の剣』と『本田の盾』。日本人らしい香川で勝ち、日本人離れした本田で負けない

text by 清水英斗 photo by Getty Images

『香川の剣』と『本田の盾』の融合が鍵

 今、これを読み返すと、真っ先に本田圭佑の名前が浮かんでくる。なぜ、本田が貴重な選手なのか? それは単にパワーや高さがあるからではない。そういった日本人らしからぬ個性を備えながらも、なおかつ日本人らしさを生かすチーム戦術にも順応できる、オールラウンダーであるからだ。

 パスワークの基点として、受けることも出すこともできる。シュートシーンでは地上と空中、どちらでも点が取れる。セットプレーの城壁にもなるし、しかもザックジャパンの中では、唯一の左利きとしてキッカーを務める。

 一人で何役もこなす選手だ。オシムは「身長が高い選手が見つかったとしても、その選手が日本人らしいサッカーをするとは限りません」と示唆していたが、その答えとして、今の本田は理想に近い。

 日本人らしさを生かす『香川の剣』と、日本人らしさをカバーする『本田の盾』。これらのような特徴が混ざり合ったとき、初めてザックジャパンは攻防一体、世界で打ち合うチームになれるだろう。

【了】

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