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コスタリカとコロンビア、共通する4つのポイント。“仮想”相手にザックジャパンが意識すべきこと

text by 河治良幸 photo by Getty Images

(2)時間帯でポゼッションを織り交ぜる、(3)アタッカーの構成

 中南米のチームは試合にリズムの変化を付けるために、ポゼッションとカウンターを使い分けるが、堅守速攻の色が強いコスタリカも例外ではない。テンポを落ち着かせるために、中盤とDFラインでショートパスを細かくつなぐ時間帯があり、ボルヘスを中心としたボランチは柔軟にバランスを取る。

 ここもコロンビアに通じる部分だが、コスタリカの場合はそこから連動性の高い攻撃を仕掛けてくることはあまりなく、結局はFWの個人技や2~3人のコンビネーションに頼る。コロンビアもポゼッションを用いる時は攻守のバランスを意識するが、両SBの攻め上がりは明らかに多い。コスタリカの個の仕掛けに対しては、しっかり組織で封じていけば大きな問題は無いだろう。

 システムに応じて3トップと2トップを併用するコスタリカだが、どの形にしても前線の主力はブライアン・ルイス、キャンベル、ウレーニャの3人となる。3人共に欧州のクラブに所属しており、右のブライアン・ルイスは高速ドリブラーのクアドラード、ウレーニャは技巧派のハメス・ロドリゲスに特徴が似通っている。

 コスタリカはボラーニョスという経験豊富な左サイドのMFもおり、ウレーニャの代わりに出てくる可能性もあるが、よりクロスの志向が高くなるものの、スタイルの大枠はウレーニャと変わらない。

 ワールドクラスとして認知されるハメス・ロドリゲスと比べればスケールは落ちるが、攻撃に変化を加える危険性はあり、日本代表としては右サイドで対峙する内田や酒井宏が注意したい。

 キャンベルは高いシュート力とラストパスのセンスを併せ持つ万能型のFWで、ファルカオやグティエレスなどコロンビアのFW陣に通じる。ただ、2トップにした時にポストプレーやヘディングで頼りになるベテランFWのサボリオが直前の負傷で離脱してしまった。その他の候補との差は大きく、ピント監督は2トップを選択しにくくなったかもしれない。

 日本代表はなるべく高い位置で試合を進め、相手ボールになってもカウンターの起点をつくらせないようにしたい。

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