フットボールチャンネル

負傷者続出で重要度増す“ユーティリティプレーヤー”今野。「どんな役割でも与えられれば全力でこなすのが自分の仕事」

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「集中を切らさないようにしたいです」。自分のやるべきことをきちんと整理

 どのポジションで出場するにしても、今野に求められる最重要テーマは、失点を限りなくゼロに近づけること。コスタリカ戦でブライアン・ルイスの飛び出しに追い付けなかった苦い過去もあるだけに、6日のザンビア戦こそは無失点で乗り切るべく、献身的に取り組んでいくという。

「コスタリカ戦の失点場面は、カバーに行った森重がボールを取ったと思っちゃった(苦笑)。『あ、マイボールだ』と思った瞬間、相手に抜け出されて決められた。もっと注意深くしていれば、もっといいポジションを取れたと思うから悔やまれる。何も邪魔できずに決められたから、注意深くやっていくしかないですね。

(クロスからの失点が多い?)センタリングっていうのは全部抑えられるわけじゃないですからね。センタリングされたとしても、中でしっかり相手をつかんで止められれば、失点にはつながらないと思う。

 ボールを上げられるのはしょうがないし、1試合の中で何本かは蹴られるから、集中を切らさないようにしたいです」と今野はザンビア戦、そしてコートジボワール戦に向けて、自分のやるべきことをきちんと整理しているようだ。

 4年前の南アフリカ大会では、直前のスイス・シオンで対戦したコートジボワール戦で負傷し、右サイドバックの定位置を失った。その悔しさをバネにこの4年間、走り続けてきた。

 2006年ドイツ大会でフィールドプレーヤー唯一の出場なしに終わった遠藤保仁が南アでその屈辱を晴らす大活躍を見せたように、今野もブラジルで大輪の花を咲かせることができるはず。

 そのためにも、ザンビア戦で明確な手ごたえをつかんでもらいたい。

【了】

関連リンク

Fチャンワールドカップ2014ブラジル大会特設ページ
遠藤保仁、W杯を語る。日本サッカーが手にした知性
日本代表・山口蛍の『判断力』の磨き方
伸ばす力 世界で輝く「日本人選手」育成レシピ
僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代

1 2

KANZENからのお知らせ

scroll top