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「すぐに出せ」「近くでやろう」。チームを変えた大久保の強い要求。ジョーカーが決意するW杯を戦う覚悟

日本時間7日に行われたザンビアとのテストマッチ。W杯本大会前最後の試合となった一戦で待望のゴールを決めた大久保嘉人。得点だけでなく、周囲の状況を的確に見つめて指示を与える冷静さは大きなプラスとなりそうだ。

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「トラップしてそのままバーンって打った」

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ロスタイムに勝ち越しゴールを決めた大久保【写真:Getty Images】

 間もなく後半45分を迎えるというタイミングで、3-3の同点追いつかれたザンビア戦の日本代表。壮絶な打ち合いとなった猛暑のタンパでの一戦に終止符を打ったのが、サプライズ選出された期待のアタッカー・大久保嘉人だった。

 遠藤保仁と交代したばかりの青山敏弘のファーストタッチの鋭いタテパスが裏に通った瞬間、背番号13をつける男は巧みな身のこなしでボールを右足でトラップし、左足を思い切り振りぬいた。

「アオ(青山)がずっと見ていたから、出してくれるかなと思った。タメていたから走ろうとしたら、バシッと足元に来たからね。よう出したなと。

 シュートまでの流れは完璧。トラップしてそのままバーンって打った。自分としてはすっきりした。いい形で(ブラジルへ)行けるんじゃないかな」と大久保は興奮冷めやらぬ様子で喜びを口にした。

「嘉人さんが4点目を取った後、嬉しそうやったし、これで結束力が高まったのはプラスですね」と試合後には滅多にコメントしない本田圭佑が力強い仲間のゴールを心から祝福していた。

 その大久保は5月27日のキプロス戦では後半途中から1トップ、6月2日のコスタリカ戦では2列目右サイドのポジションで前半45分間プレーした。

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