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「すぐに出せ」「近くでやろう」。チームを変えた大久保の強い要求。ジョーカーが決意するW杯を戦う覚悟

text by 元川悦子 photo by Getty Images

得点、ボールキープで効果絶大。W杯スタメンも有り得る

「俺らのところが空いているんだから、当てて、そこから展開する。そうしないとリズムが作れないし、向こうは身体能力が高いからジャンプしても勝てない。俺らは俊敏性で勝負することが大事だと思う。

 そう考えて、タテのボールを出すようにと蛍(山口)にも森重にも言いました。デカい選手がいないんだし、空いたところにつながないと攻めきれないからね。

 右に移ってからはこの前1回やったし、自信を持ってやれました。真司との入れ替えは流れの中で判断しました。みんなの位置を見ながら流動的にやることが大事だしね。

 真司にも圭佑にも言ったけど、(自分が入るまでは)みんなすごく遠くてやりにくそうだった。相手は足が長いから、当てたとしてもリーチの差で取られていた。だから後半は真司と『近くでやろう。近くでやったら相手はついてこれないから』と言ってやったら、リズムができた。それは収穫ですね。

 アフリカ勢特有の身体能力は、コートジボワール戦に向けて参考になりました。足が変なところから出てきたりするから。相手守備陣の守り方も似ていると聞いたから、参考にはなったんじゃないかな」と後半45分間の多彩な経験を大久保はしっかりと蓄積しているようだ。

 大久保が加わったことで相手のプレスを分散できるようになった本田も前線での負担が減り、ボールをキープできる回数が増えた。得点力の面も含めて大久保効果は絶大だ。

 ザッケローニ監督は「(1週間後に向けて)選手たちがどんなプレーをしたらいいか、明確なイメージがある」とコメントしたが、ここまでの流れを見ると、大久保は攻撃のジョーカーとして起用されそうだ。

 ただ、コンディションのよさや鋭くキレのある動きを考えると、1トップのスタメンも十分にあり得る。ブラジル入り後の動向をしっかりと見極める必要があるだろう。

【了】

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