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関塚隆に聞く、日本はW杯でどう戦うべきか?「初戦が大事。1対1のポイント作らせないのがカギ」

text by 木之下潤 photo by editorial staff

「1対1の局面を作らないコンパクトさをいかに90分保てるか」

――2戦目以降は1戦目の結果、また戦いながらということですね。

「ええ。相対的な力関係で判断すれば言えることはあります。コートジボワールには個の力を発揮させない。日本の組織でしっかり対応することが大事だと。ギリシャは堅守速効なので、日本がボールを動かしながら得点をとって勝ち点を積むことが重要。

 コロンビアは個と組織が上なので、日本の組織でどう対抗するのかだと思います。ザッケローニ監督が戦術的にどう考え、選手に伝えるか、楽しみですね。

 この手のことはよく聞かれるんですよ。でも、正直に1戦目が終わらないと何とも言えない。1戦目の結果が出れば、意見もはっきりするんですが(笑)。勝ち点がいくつで順位がここだから、次のギリシャ戦、コロンビア戦はこう戦った方がいいと。何も始まっていない時に聞かれるのが一番難しいです!」

――それを踏まえてお願いします(笑顔)

「1戦目のコートジボワールとは勝ち点0が最悪な状況なので、最低限引き分けで勝ち点3を狙いにいく。高温多湿ではありますが、いかにコンパクトに相手の個の力を発揮させないか。

 攻撃では数的優位を作ってチャンスを作り、守備では2対1の状況を作って守る。とにかく、1対1の局面を作らないコンパクトさをいかに90分保てるかということ。あとはリスタートの勝負どころがポイントになると思います。まずは初戦にターゲットを絞ることが大事」

――今大会どの選手に注目されていますか?

「日本は、チームの柱は本田。彼を中心とした攻撃がどれだけ機能するかが勝利を左右すると思います。守備では11人がしっかりと組織で日本らしく守ることです。できるだけ守備の時間を減らしながら、攻撃でどう機能するかということ。

 世界的には、やっぱり注目されるのはネイマールでしょうか。ネイマールはみなさんも楽しみでしょうし、ストライカーには注目されるでしょうね。開催もブラジルですしね」

【了】

プロフィール

関塚 隆(せきづか たかし)
1960年生まれ。千葉県出身。元本田技研工業のFW。1991年に早稲田大学監督に就任。鹿島アントラーズ、清水エスパルスのコーチなどを経て、2004年から川崎フロンターレの監督。2010年からはU-23日本代表監督を務め、ロンドン五輪では日本をベスト4に導いた。現在はサッカー解説者などを務める。

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