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ドイツメディアが見た日本。「奇妙な試合」「何もしない」、日本代表へ理解示せず。逆にギリシャは評価「勇気ある10人」

text by 本田千尋 photo by Getty Images

「10人のギリシャ人たちは11人よりも勇気を持って覚悟を固めてプレーする」

 SportBildは、「日本はそこから何もしない」理由を、敗退の恐れからくる心理面のプレッシャーに要因を求めたようだ。対して10人となったあとのギリシャは高く評価されている。

「ハーフタイムのあとに奇妙な試合は続く:10人のギリシャ人たちは11人よりも勇気を持って覚悟を固めてプレーする。そしてまた危険だった」

 ここでSportBildは「奇妙な試合」とした。先に日本代表が「そこから何もしない」理由を心理面に求めているが、どこか無理はある。そしてそれはSportBildも承知の上であえてそうしたのだろう。そうしなければ「奇妙な試合」の中の日本代表を理解できなかったのかもしれない。

 かと言って日本代表は具体的にどこも何も批判されてはいない。香川真司のベンチスタートが「驚き、不意打ち」とされてはいるが、そのことをもってザッケローニの手腕に疑問符がついたわけでもない。

 しかし記事を裏返してみれば、11人対10人という状況で、「勇気を持って覚悟を固めた危険なプレー」は11人の方に見られるはずだ、というSportBildの本懐も見え隠れする。

 6月20日付Kicker電子版の記事も似たような論調だ。「ザッケローニの戦略は1つの完全な謎である」という見出しを持ってくる。しかしこれはKickerの見解ではない。「ある日本の専門誌が「『ザッケローニの戦略は1つの完全な謎である』と批評している」として、日本メディアの様子を伝えた。Kickerも対岸の火事をただ遠くから眺めている。

【了】

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