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ブンデスリーガで10人以上プレーも、ドイツであまりに低い日本への認知度。W杯出場国であることを知らない人も

text by 本田千尋 photo by Getty Images

恐ろしく低い日本への認知度

 そして55分、83分のジャクソン・マルティネス、そして90分のハメス・ロドリゲスのゴールが描かれて、最後の段落で主語が「日本代表」から「ホセ・ペケルマン」へと入れ替わる。コロンビア代表監督が、43歳のGKをピッチへと送り出したことが書かれて記事は終わった。

 結果的にモントラゴンがピックアップされる形となったが、もし書き手に「日本代表」に対する「期待」のようなものがそもそも全くなければ、主語としてはもちろんのこと、「日本は泣いて」という書き出しで記事が始まることもないだろう。

 6月25日付のBild誌では、コートジボワール代表に対するギリシャ代表の勝利が大きく取り上げられる記事のなかで、日本代表がほんの少し触れられている。「強いコロンビアが日本に対して4-1で勝利した」。コロンビアの勝利は「全く不思議ではない、当然のことだ」と、日本代表に全く「期待」を抱いていなかったメディアももちろん存在する。

 現在のドイツでは、ファンを含めたサッカーの世界、メディアの中では関心は高まってはいるのだろうが、一般の人の間では日本人選手の認知度はまだまだ低い。日本人選手がブンデスリーガでプレーしていることを全く知らない人もいる。最近では、日本がブラジルのW杯に出ることを知らない人間もいた。

 日本代表はグループリーグ敗退となったが、今後もブンデスリーガ1部、2部でプレーする日本人選手は少しずつ増えていくことだろう。原口元気の事例に見ることが出来るように、日本のサッカーはW杯を通さずとも関心を抱かれるようになってきている。

 サッカーの土壌が深く広いドイツの一般社会で、日本人選手の認知度がさらに上がっていけば、日本代表はW杯でまた違う姿を見せることができるのかもしれない。

 頂点への道程は、果てしなく遠い。

【了】

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