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日本代表・惨敗の内実【その1】賞味期限切れだったチーム。コンディション調整重視で連携は強化されず

text by 中山佑輔 photo by Getty Images

チームを動かしづらい中で、賞味期限切れに

河治 そういうこともあって、一時期、長谷部の代わりというより、遠藤の代わりとして細貝は試されていた。ザッケローニはどれだけ守備の部分が良くても、攻撃の部分で貢献できないといけないと考えている。

細貝に攻撃力がないとは思わないけど、代表の中で攻撃力を出せていないから守備固めにしか使えない。遠藤と細貝は全然タイプは違うけど、ザッケローニは期待して先発でも使っていた。でも結局そこで、ノッていけなかった。最終的に本当の意味での遠藤の代役を組み込めなかった。

飯尾 本来は、世代交代をしながら、試しながら、動かしていくというのが、理想だと思うけど、そこで難しいのは、アジアカップがあって3次予選があって最終予選があって、となってしまうところ。

 チームをほとんど動かせない。

飯尾 ザッケローニは下手をすればクビにされるわけだから、好んでチームを動かしづらい。それぞれの試合をベストで乗り切ろうと思ったら、こうなってしまう。そして徐々にチームとしてのピークが過ぎ、賞味期限が来てしまった。本番の1年前に中心選手を入れ替えようとしても、もう間に合わない。

 コンペティション的に3年間同じ戦いをしないといけない部分がかなりネックになってくる。これが2年だったら全然違ったと思うんです。やっぱり残り1年で、となると、そのチームの構造的改革はできないけれども、足りない部分は補修しなきゃいけないとなって、いわば付け焼刃的になってしまうというか。

【その2へ続く】

飯尾篤史(司会)
1975年生まれ。サッカーライター。週刊サッカーダイジェスト編集部を経て、2012年に独立。Jリーグから代表まで幅広く取材

河治良幸
1973年生まれ。『エル・ゴラッソ』で日本代表を担当。プレー分析を軸にグローバルな視点でサッカーの潮流を見続ける。

北健一郎
1982年生まれ。ストライカーDXの編集部を経て2009年に独立。現在はサッカー、フットサルを中心に活動中。

清水英斗
1979年生まれ。ドイツやオランダ、スペインなど海外での取材活動を機に、現在は日本でフリーランスとして活動中。

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