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本田圭佑 10年前

本田、生き残るための最低条件は「右WGならサイドの守備、左インサイドなら攻守両面の運動量」。そして自らをアピールせよ

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

疑問が湧く本田の右ウイング起用。ラストパスの出し手として有効性をアピール出来るか?

 連係も整っていない状況なら、結局単独で局面の打開出来るウインガーのほうが機能するのではないかという結論になるし、事実ICCではエル・シャラウィやニアングのドリブルでしかチャンスは作れない状態になっていた。

 ただ、インザーギもその中で修正は図っていた。シティ戦の後半、エル・シャラウィを下げてバロテッリを投入し、この日はトップで闘っていたニアングを左に回す。

 そしてニアングには、ボールを持っていない時に受け手として機能する動きを意識させた。外から中へとピッチを斜めに切るように走り、DFラインの裏を狙わせる。そして本田らパスの出し手には、そこを狙わせた。

 修正を加えてからは、若干ながら確かに流れは向上した。シティ戦では本田のほうが先にバテてしまったが、後半途中から出場したリヴァプール戦では散発ながら機能も見せている。後半33分、ニアングにワンタッチで出した浮き球のパスは、まさに上記の通りの図式だった。

 もっともそういう役割なら、なぜ本田をトップ下にせずに右なのか、という疑問が湧く。コリエレ・デッロ・スポルトも「前線の連係が他に出来ていない以上、他のシステムの可能性も探るべきだ」と報じていたが、守備の際にサイドのスペースを閉めるためには4-3-3が適していると指揮官は考えているのだろう。

 右のカバーリングを意識しながら、ラストパスの出し手としての有効性をアピールすること以外に、本田がこのポジションで生きる道はない。

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