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日本代表 10年前

「FWはやっぱり一番はゴール」。W杯での無念を糧に成長誓う大迫。アギーレ体制初出場でチーム初得点を狙う

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「自由を与えてくれる。自分としては嬉しい」

 ザッケローニ前監督が率いた日本代表では最後の1年間だけプレーしたが、すでに完成しつつあるチームに溶け込む難しさを実感した。

 イタリア人指揮官特有のFWの動き方にも戸惑う部分があった。こうした窮屈さを感じながらのプレーが、2014年ブラジルW杯での不完全燃焼につながった部分も少なからずあるようだ。

「ザックさんの時はFWの動きが限定されていて、あまり外に流れたり、引いてこないようにと言われていた。だけどアギーレ監督はそんなことは言わないし、限定せずにもうちょっと自由を与えてくれる。

 それは自分としては嬉しいですね。ずっと前で張っているより、ちょっと引いてそこから入っていくとか、サイドに開いてボールを触ったりした方が自分らしさが出ますからね。

 4-3-3-の3トップも『自分(トップ)とトップ下2枚』というイメージでやっています。近くに2人いるっていう感覚でできるからすごくやりやすいですね」と彼は新指揮官の戦術を好意的に受け止めている。

 しかしながら、初陣のウルグアイ戦で自分ではなく、新顔の皆川佑介(広島)が先発に抜擢されたことは正直、悔しさはあっただろう。

 皆川とは、大迫が鹿児島城西高校3年だった時の高校サッカー選手権準決勝で、彼のいた前橋育英と対戦し、5-3で勝利している。

 そのことを皆川は鮮明に覚えており「ホントに衝撃を受けましたし、その時からの憧れです。自分から一方的に知っていたんで、この機会に自分を知ってもらうためにも、僕のプレーを見て評価してもらって改善していきたいと思います」と尊敬の念を込めてこうコメントしていたほどだ。

「僕の方はあんまり覚えてなかった。接点がなかったから。もちろん試合は覚えていますけど」と大迫側は淡々としていたが、ウルグアイ戦に出場した同い年のライバルの一挙手一投足を脳裏に焼き付けたようだ。

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