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代表 10年前

ドイツ代表、新たな“チームを救う力”ミュラー。新チーム初戦で2ゴール。名実ともに世界王者のエースへ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

未来に繋がる「勝ち点3」。名実ともにドイツ代表のエースへ

主将の交代、功労者の引退で時代の変わり目に差し掛かるドイツ
チームを救い勝利へと導いたのはトーマス・ミュラーだった【写真:Getty Images】

 8日付のデュッセルドルフ・エクスプレス紙は「トーマス・ミュラーの大きなショーだった!」と報じた。

 同紙に対しては、テレビ局の仕事でこの試合を訪れた元ドイツ代表のイェンス・レーマンが、ミュラーについて「ミュラーは違いを作り出していた。彼は良く顔を出して、頻繁にポジションチェンジをした。それはスコットランドを混乱させたね」と語って高く評価している。

 ミュラー自身は「前半戦に我々は追加点をねじ込むことを逃してしまった。後半戦で試合をより支配することが出来なかったね。でも結果については、嬉しくはないけど、満足しているよ」とコメントを残した。

 キッカー紙が見出しを付けたように、ドイツ代表が新たなスタートを切った大事な一戦で、チームを救い勝利へと導いたのはトーマス・ミュラーだった。

 5ゴールを上げ、特に初戦のポルトガル戦ではハットトリックを決めるなど、ブラジルW杯で結果を残したミュラーは、名実ともにドイツ代表のエースとなりつつある。

 13日に25歳となるミュラーは、少し気が早いかもしれないが、ゆくゆくはクローゼのような頼れるベテランになっていくのではないだろうか。

 欧州選手権予選の初戦、スコットランド戦を2-1のスコアで終えて、ノイアーは「スタートで最も重要なことは勝ち点3だ。我々は義務を全うした」と語り、指揮官レーブも「勝ち点3に満足している」と言葉を残した。

 その「勝ち点3」は、単に初戦での重要な3ポイントだけではなく、ドイツ代表の新しい未来へと繋がっていくものと言えるだろう。

【了】

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