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本田圭佑 10年前

本田、F・トーレスとの併用でより“右ウイング”の選手に。パス、シュートともに激増。抜群の補完性を示す

text by 海老沢純一 photo by Getty Images

連動性の高いゴールと右から切り込んでのシュートを放つ

 こうしてトーレスが右に流れることで本田が中へ進入しても右サイドはアバーテのみという手薄な状況にならず、これまで以上に右から仕掛ける場面が増えていた。

 アバーテのスタッツを見ると、アタッキングサードでのプレー率は開幕2戦と同等の23.23%だったが、クロス本数は8本を記録。過去3試合が2本→3本→4本だっただけに倍以上の本数を試みていることになる。

 本田に話を戻すと、過去3試合では右から中へ入る動きによって左サイドやアバーテからのアシストを待つことが多かった。そのため、計3本のシュートのうち2本が本来得意とは言えないヘディングでのシュートとなっていた。

 しかし、センターフォワードタイプのトーレスが中央に入ることでより“右ウイング”としてのプレーが目立っていた。

 まず、この日のゴールで今季3得点目としたが、これまでのクロスに合わせるタイプの得点ではなく、トーレスが相手DFを引き付けて右に流れることによって空いたスペースに進入し、その背後からアバーテがパスを入れることで生まれた得点だった。

 このような形での得点は周囲との連係も重要となるため、トーレスの貢献度も高く、チームでの連動性の高いゴールだったと言えるだろう。

 過去3戦で1試合1本ずつだったシュートは5本を放ち、後半20分には枠を外したものの、右サイドから切り込んでシュートを放つ場面もあった。これまでは右サイドでボールを持っても選択肢は捌くだけ。シュートを放てるような状況には無かったため、これは大きな変化と言えるだろう。

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