フットボールチャンネル

香川真司 10年前

【現地記者の視点】香川の課題=チームの課題。安定感に欠くドルトムント、香川との連携を強化せよ

text by 本田千尋 photo by Getty Images

状態は徐々に上向きも、周囲との連係に課題を残す香川

 その後10分過ぎまで香川にあまりいい形でボールが入らなかったが、前半を通して見ると、香川は所々でボールを受けてチャンスを作り出した。25分、ピシュチェクからボールを受けて、リュディガーら3人に囲まれながら、再び右サイドを上がったピシュチェクへと通す。

 32分、ピシュチェクからのパスをボックス内で胸トラップし、シュートを放つも惜しくもバーに当たる。35分、ベンダーからのフィードをボックスの手前で、胸で落としてヨイッチへと渡し、ヨジッチはこれをシュートするが、ボールはクロスバーの上へ。

 前節のマインツ戦に比べれば、少しずつ状態は上向いていると言えるが、24分のインモービレからの、32分のグロスクロイツからのパスが上手く合わないなど、周囲との連係に関して香川はまだこれからのようだ。

香川、今季初フル出場も周囲との連係に課題。チームは守備に安定感欠きドロー
ディダビが押し込んでシュトゥットガルトが先制【写真:Getty Images】

 旧知の間柄であるグロスクロイツはともかく、ヨイッチ、オバメヤン、インモービレといった面々は香川と共にプレーして間もない。先発メンバー全員が香川の特性を理解している訳ではないのである。

 後半開始早々の47分には、ライトナーの折り返しが弾き返されて生じた混戦から、ゲントナーが再び中央へと折り返し、ディダビが押し込んでシュトゥットガルトが先制する。

 香川について言えば、前半よりはボールに触るようになった。

 61分、香川が中盤の底からカウンターの起点となり、右サイドのオバメヤンへと渡し、オバメヤンはインモービレへ。インモービレが右サイドで落としたボールをピシュチェクがダイレクトで中に入れるが、長い距離を走ってゴール前へ詰めた香川には合わない。

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top