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キーワードは「我慢」。無敗の浦和を支える絶対的な自信と確かな成長

text by 編集部 photo by Mutsuko Haruki

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浦和の強さを支える「我慢」【写真:春木睦子】

 浦和レッズは23日に行われた明治安田生命J1リーグ第13節で鹿島アントラーズと対戦し、2-1で逆転勝利を収めた。

 12試合を消化して未だ負けがない浦和は、持ち前のサイド攻撃を抑え込まれ、なかなか鹿島の守備を打ち破れない。そんな中、67分に不運な形からオウンゴールで鹿島に先制を許してしまう。

 それでも、いまの浦和が慌てることはなかった。失点の4分後には武藤雄樹のヘディングで同点に追いつき、83分に関根貴大の3試合連続ゴールで逆転。最後は守備陣が踏ん張って勝ち点3をもぎ取った。

 試合後、浦和の選手たちの口から発せられた共通のワードは「我慢だった」。失点の原因となった森脇良太は「我慢強くやっていこう、逆転しようというのを感じることができ、チームとして非常に成長できている。ズルズル気持ちが下がって2点目を食らうんじゃなくて、自分たちが盛り返して同点、逆転までできるパワーがあるというのは並大抵のことではない」と、好調の要因を分析する。

 失点しても慌てず逆転する勝負強さはこれまでの浦和になかったものだ。昨年までは自分たちの形を出せずに押し込まれると、そのまま修正できずに敗れる、タイトルを逃すというのを何度も経験してきた。しかし、今季は違う。

 槙野智章は「今季は1点を取った後のゲーム運びよりも、1失点した後のゲーム運びの方が相手にとって脅威を与えている」と、チームの成長を語る。これには柏木陽介も同意し、「誰も慌てていないし、逆に『大丈夫、落ち着いていこう』という雰囲気をチームの中で作れている」と付け加えた。

 消化の1試合少ない浦和の1stステージは残り5試合となり、2位のサンフレッチェ広島とは勝ち点差が4ポイント開いている。久々のタイトルはもう目の前に見えているが、誰一人現状には満足していない。

 槙野は鹿島戦の勝利を踏まえ、「相手がどこだろうが、鬼門と言われているスタジアムだろうが、自分たちは自分たちしだいと思っているし、相手の良さを消さなければいけないのはもちろんだけども、自分たちの敵は自分たちだと思う」と気を引き締める。

 守護神の西川周作も昨季終盤の悔しさを忘れていない。大きな勝ち点差をつけて首位に立ちながら優勝を逃したメンタルの弱さを克服し、「今年は強く、ハードワークをして、規律を守りながらやっていければ」と、浦和での初タイトルに意気込んだ。

【了】

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