クロップと香川が紡いだ5年間。その身は離れようとも…変わることのない愛情と信頼

2015年06月02日(火)15時00分配信

text by 本田千尋 photo Getty Images
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最初の別れとなった香川のユナイテッド移籍

クロップと香川が紡いだ5年間。その身は離れようとも…変わることのない愛情と信頼
11-12シーズン終了後に香川はマンチェスター・ユナイテッドへの移籍を決断【写真:Getty Images】

 シャルケ戦の後のコメントにも見て取れるように、クロップは選手のことをサッカー選手としてだけではなく、一人の人間としても見るところがある。選手としての能力だけでジャッジして、切り捨てるようなところはない。

 極東の国から独りでやって来て、異国の地で奮戦する姿は、人情深いクロップの心を惹きつけたのだろう。

 ブンデスリーガにデビューしたシーズンの後半戦を、香川は1月のアジアカップで負った怪我が元で棒に振ることとなったが、早くも1年目でクロップと香川の信頼関係は強固なものとなっていた。

 そしてそれは、香川がドルトムントでの2シーズン目を終える頃には揺るぎないものとなる。序盤こそチームも香川も不調に喘いだが、シーズンが終わってみれば13ゴールを挙げて、香川はドルトムントの2連覇に貢献した。

 ポカール決勝では1ゴールを決めて、バイエルンを破って優勝する。このドルトムントの輝かしい2年間の中心に、香川とクロップがいたことは間違いなかった。

 そして別れの時を迎えることになる。11-12シーズン終了後に香川はマンチェスター・ユナイテッドへの移籍を決断する。サー・アレックス・ファーガソンに請われ、移籍金の額は1500万ユーロ(約20億4000万円)となった。

 もはやお試し感はどこにもない。正真正銘のフットボーラーとして、香川は巣立ちのときを迎えたのだ。クロップは学校を卒業する教え子を送り出すようだった。

「シンジは今まで指導した選手の中でも最高の選手と言えるだろう。彼は素晴らしい人間であり、素晴らしいスポーツ選手でもある。彼なら世界中どこのクラブに行ってもプレーできる」

 しかしマンチェスターへの移籍は、結果的には成功したとは言い難いものとなった。ファーガソンが指揮を取った1年目はドルトムント時代の片鱗を見せるに止まり、2年目はデイビッド・モイーズの信頼を得ることが出来なかった。そして3年目にファン・ハールは香川を構想外とする。

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