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Jリーグ 9年前

東京のエースから日本のエースへ。若きアタッカー武藤嘉紀の原点

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ここぞの場面で点が取れる勝負強さはジュニア時代から

東京のエースから日本のエースへ。若きアタッカー武藤嘉紀の原点
今季開幕のガンバ大阪戦(3月7日)で終了間際に豪快なミドルシュートを決めた武藤【写真:Getty Images】

 選抜クラスは年に1回、長野県の木島平で開かれるJリーグアカデミーの大会に参加していた。当初は6クラブ程度だったが、2年目は10クラブ超に拡大され、子どもたち同士のいい交流の場となっていた。

 単にサッカーの試合をするだけでなく、野外活動やゲーム、バーベキューなどイベント的な要素も含まれていて、そういうピッチ外の活動でも武藤少年はかなり積極的で、自分らしさを遺憾なく発揮していたと、田部コーチは語る。

「よっちは『遊ぶときは遊ぶぞ~』という大胆な部分を表に出していました。自分を表現するというのは、サッカーをやっていくうえでも非常に大切なこと。ここぞという場面で思い切り力を出せるところが、彼の大きな強みだと思います。

 遠征に出ると、食事を満足にとれなくなる子も少なくない。小学生にとって、食事は意外に大きなストレスになり、きちんと食べられない子は朝の試合がダメだったり、精神的に弱かったりする。

 でも、よっちは平気な顔でどんぶり飯をしっかり食べていた。そういう意味でも、たくましく、腕白な少年だったのかなと思いますね。

 もちろん、ピッチ上でもアグレッシブで、苦しい試合では確実に点をとってくれる。今季開幕のガンバ大阪戦(3月7日)で終了間際に豪快なミドルシュートを決めましたが、ああいうシーンはジュニア時代にも何度か見たことがあります。

 ワンタッチでドーンと蹴れる思いきりのよさと勝負強さは、少年の頃からの蓄積の賜物ですね」

【了】

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●武藤嘉紀ヒストリー 若きアタッカーの原点に迫る
●「僕らがサッカーボーイズだった頃~Jリーガーのジュニア時代~」植田直通(鹿島アントラーズ)
●選手育成に欠かせないインテンシティの重要性◇亘崇詞 など

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