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Jリーグ 9年前

無敗優勝の浦和、動員減の鹿島。1stを終えたJリーグ、2ステージ制移行に特需はあったのか?

text by 藤江直人 photo by Getty Images

中には動員減のチームも

無敗優勝の浦和、動員減の鹿島。1stを終えたJリーグ、2ステージ制移行に特需はあったのか?
カシマスタジアムでは空席が目立つ試合も【写真:Getty Images】

 同じような図式が、ファーストステージで2位に食い込んだFC東京にも当てはまる。ホームの味の素スタジアムで開催した8試合で動員した24万8540人はレッズに続く数字であり、1試合当たりの増加数5881人はレッズを上回っている。

 もっとも、リーグ全体の数字を比較すると、諸手をあげて喜んでばかりもいられない状況が浮かび上がってくる。昨シーズンからJ1で戦う15チーム、つまり昇格してきた3チームを除いたチームの観客動員数の合計は238万5807人。昨シーズンと比較して12万94人、5.3%という微増にとどまっている。

 昨シーズンの同時期との比較で、トータルの観客動員数を減らしているのは5チーム。そのなかで勝ち進んだACLのスケジュールとの関係で、ホームでの8試合のうち5試合が平日開催となった柏レイソルを除く4チームは、いずれも開幕からの出遅れなどの成績不振を抱えている点で共通している。

 そのなかでも深刻なのがアントラーズとなる。ホームで開催した8試合の観客動員数は10万8255人。昨シーズンと比べて1万5365人も減少していて、1試合平均でも4133人減の1万3532人にとどまっている。

 湘南ベルマーレを迎えた3月14日のホーム開幕戦は1万7295人。ベガルタ仙台と対戦した昨シーズンの1万5033人こそ上回ったものの、県立カシマサッカースタジアムの収容能力(4万728人)に対する稼働率は半分にも達していなかった。

 その後もベルマーレ戦を超える数字を残せていない状況に、あるJクラブの幹部はこう警鐘を鳴らす。

「鹿嶋市は住友金属の企業城下町であり、鹿島アントラーズが住友金属の体力と先行投資であそこまでやってきたのは、ある意味でシンデレラストーリーとなる。ただ、厳しい言い方になるけど、結局は企業スポーツの延長線上で経営してきたから日本代表選手が少なくなり、首都圏から通うファンがいなくなると、観客動員数が減っていくスパイラルに陥っていかざるを得なくなってしまう」

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