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Jリーグ 9年前

無敗優勝の浦和、動員減の鹿島。1stを終えたJリーグ、2ステージ制移行に特需はあったのか?

text by 藤江直人 photo by Getty Images

営業面では増収という結果に

無敗優勝の浦和、動員減の鹿島。1stを終えたJリーグ、2ステージ制移行に特需はあったのか?
ホーム全勝の浦和の試合には毎試合多くのサポーターが駆け付けた【写真:Getty Images】

 昨シーズンまでのレッズの観客数はゴールデンウィークで一度ピークに達し、その後はしばらく3万人台で推移していくパターンが定着していた。翻って今シーズンは、ファーストステージの覇権の行方を占うガンバ戦やFC東京戦で勝利を収めたことで、4万人台を記録し続けたと見ていいだろう。

 2ステージ制の再導入に対して、レッズはチーム、サポーターともに反対の立場を貫いてきた。最終的に採用されてからは、サポーターはこんな思いをレッズに託してきた。

「ファーストもセカンドもすべて獲って、新開催方式に対してJリーグへNOを突きつけてほしい」

 実際、レッズの選手たちもファーストステージ優勝を「通過点」と公言してはばからない。目指しているのは年間の総合勝ち点で1位となり、スーパーシードとしてチャンピオンシップ決勝に臨むこと。ゆえにアルビレックス戦も「消化試合」にはなりえず、セカンドステージにおいてもモチベーションが萎えることもないだろう。

 2004年シーズン以来となる2ステージ制を復活させた理由について、Jリーグはこう説明してきた。「優勝争いのヤマ場を多く設けることでメディアへの露出を増やし、新規のファン層を開拓しながら、スポンサーメリットも創り出していく」

 2014年シーズンのレッズの入場料収入(19億8200万円)を総入場者数(60万3770人)で割ったチケットの平均単価(3282円)で試算すると、昨シーズンのホーム9試合消化期と比較して5万6022人増となっている今シーズンは約1億84000万円の増収となっている。

 レッズの観客動員数のなかで新規ファンが占める割合などはこれからの調査となるはずだが、5月以降に優勝争いの最初のヤマ場が訪れたプラス効果は、営業収益の柱となる入場料収入において明確に反映されているといっていい。

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