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香川真司 9年前

新生ドルトの鍵握る香川とロイスの連携。トゥヘルが巡らす試行錯誤

日本、シンガポールでのアジアツアーを終え、欧州でプレシーズンマッチを行っているドルトムント。すでに数試合の実践を積んでいるが、指揮官トーマス・トゥヘル監督には選手の起用方法について最終的な決断を下せていないようだ。日本代表MF香川真司にとっては、チームメイトであるマルコ・ロイスとの連携が重要となってくる。

text by 本田千尋 photo by Getty Images

試行錯誤を繰り返すトゥヘル監督

新生ドルトの鍵握る香川とロイスの連携。トゥヘルが巡らす試行錯誤
香川真司(左)とマルコ・ロイス(右)【写真:Getty Images】

 指揮官の頭の中には、往年の「ペップ・バルサ」の残像がある。2015年7月21日に行われたFCルツェルンとのテストマッチで、トーマス・トゥヘル監督は、ゲーゲンプレッシングを軸とするポゼッションスタイルを披露した。トゥヘルが影響を受けたというペップ・グアルディオラ時代のバルセロナを彷彿とさせるスタイルがピッチに示されている。

 22日付の『シュポルトビルト』誌は「トゥヘルはチームに安定性を与えようとしている。そのために彼はシンプルなプレー、高いボールポゼッション、あまりリスクを負わないことを要求する」と記している。対ルツェルン戦ではボール奪取からの連動した速攻といったクロップ・スタイルも垣間見えた。しかし、少なくともトゥヘルの基礎に“カタルーニャ人のゲーゲンプレッシング”があることは明らかなようだ。

 23日を迎えて、バート・ラガーツでの合宿も日程の半分を消化した。ギュンドアンと出席した22日の会見で、香川は「凄くいい練習が出来ている」と語っている。これまで大きな怪我人も出ていない。トゥヘルも4-1で勝利したルツェルン戦については「誰もが試合の中ではよりアクティブだった」と手応えを感じている。

 同時に指揮官は「我々が早い段階で最終的な決断を下したと皆が考え始めないように、意図的にごちゃまぜにしている」とも語っている。どのフォーメーションで、誰と誰を組ませるのか。今季初の公式戦となるヨーロッパリーグの予選3回戦まで、あと1週間ばかりとなったが、まだトゥヘルは試行錯誤をしている最中のようだ。

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