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武藤嘉紀のマインツ移籍が示すJリーガーの“正しい売り方”

9/7(月)発売『フットボール批評07』では、武藤嘉紀の欧州移籍にあたってFC東京側の交渉窓口となった立石敬之FC東京GMにインタビューしている。この移籍劇の裏側で、どのような交渉が行われていたのか。クラブと選手の利益を一致させるための戦略とは? 一部抜粋して掲載する。

text by 小澤一郎 photo by Getty Images , editorial staff

日本人選手は外れが少ないというドイツの認識

武藤嘉紀のマインツ移籍が示すJリーガーの“正しい売り方”
FC東京の立石敬之GM【写真:編集部】

 東アジアカップの中断期間でドイツに遠征してフランクフルトと親善試合を行なったFC東京だが、立石GMはブンデスリーガにおける日本人選手の地位やブランドを確認することができたという。

「ドイツ側のクラブは、相変わらず日本人選手のタレントを探しています。日本人がドイツのクラブにとって異物じゃなくなってきているというか、『日本人だから安心できる』という感じになってきている。

 例えば、われわれがギリシャ人やルーマニア人を獲得すると『どうなの?』という感じになりますが、逆にブラジル人は安心です。大きく外れないし、食事や文化面でのサポートもみんな知っていてやりやすい。ブンデスリーガにとっての日本人はそれに似たところに来ていると思います」

 とはいえ、堅実な経営で知られるドイツのクラブにとって、日本人選手はまだ費用対効果の面で外れの少ないブランドであるに過ぎない。そんな中で立石GMはどのように武藤の移籍交渉を進めてきたのか。

「移籍金と言ってもそれは選手の価値なので、われわれがこの金額で売りたいと思っても向こうがその金額で評価をしてくれなかったら意味がないわけです。ですから今回は、最初にこの金額だと決めました。日本人最高とまでは行かないまでも、ここ数年で欧州に移籍した選手たちの額を更新したいというのは最初からありましたから、そこにまず設定しました」

 取材において明確な数字を出すことを避けた立石GMだったが、報道などで出ている数字などを総合的に見ると当初の設定額は400万ユーロ(5億5200万円)だったはず。今季のJリーグ開幕前、1月の時点で夏のウィンドウにおける武藤の欧州移籍を容認した立石GMは、まず目安となる移籍金を設定し、その情報を海外クラブとエージェントに出していった。

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