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日本代表 9年前

【現場記者の目】イラン戦は未来への分岐点。宇佐美、柴崎、武藤、南野ら若き才能は輝けるか

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「自分自身も2番手に甘んじているわけにもいかない」

 もう1人のプラチナ世代・武藤も9月のカンボジア戦(埼玉)で久々に巡ってきた先発のチャンスで結果を出せず、原口元気(ヘルタ)の左FWの定位置を奪われるというほろ苦い経験をした。その後、マインツでの1トップでの活躍が認められ、今回は指揮官も最前線要員と位置づけている。実際、シリア戦も岡崎と交代し、わずかな時間だったが1トップをこなした。

 屈強で大柄な男たちが最終ラインで壁を作るイランに対し、武藤がどこまで体を張れるか未知数なところもあるが、「自分自身も2番手に甘んじているわけにもいかない。脅かすつもりでここに来ている。自分が下から突き上げることによってチームとしても活性化していく」と岡崎に真っ向から挑んでいく覚悟を見せている。

 イラン戦は本当に武藤の1トップで日本代表が機能するかどうかを確かめる絶好の機会。できるだけ長い出場時間を彼に与えてほしい。

 最後に最年少の南野だが、ザルツブルクでの今季6点の真価を問うべく、ハリルホジッチ監督がイラン戦で抜擢する可能性はかなり高そうだ。

「最初から試合に出るつもりで来てますし、自分が出たらサイドバックとセンターバックの間でボールを受けて、いい距離感で動ければ、質の高い攻めができると思う」と自信をのぞかせた。彼が今後もA代表に定着するためには、所属クラブと同じようなゴール量産が必要不可欠だ。

 彼らの誰がタフな試合でキラリと輝きを放てるのか…。イラン戦は近未来の日本代表を占うターニングポイントになりそうだ。

【了】

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