豪州版レスター?“バルサ流”で最下位から頂点へ。Aリーグを席巻したアデレード率いたのはあの名手

豪州リーグ(Aリーグ)が全日程を終了し、下馬評を覆してアデレード・ユナイテッドが優勝した。一時期は最下位にまで沈んだチームを率いたのはかつてバルサでプレーしたギジェルモ・アモール。バルサ流のサッカーが豪州に旋風を巻き起こした。(文:植松久隆【ブリスベン】)

2016年05月07日(土)8時03分配信

text by 植松久隆 photo Getty Images
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アデレードの“九度目の正直”に大いに沸く

アデレード・ユナイテッド
下馬評を覆して優勝したアデレード・ユナイテッド【写真:Getty Images】

 Aリーグの2015/2016シーズンが終わった。5月1日のファイナル・シリーズの最終戦グランド・ファイナル(以下GF)は、シーズン優勝のアデレード・ユナイテッドと2位ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)が順当に勝ち上がっての決戦となった。

 いずれのチームも“三度目の正直”を狙っての対戦だったが、リーグ初年度からの参入クラブで、長年タイトルを待ち焦がれてきたアデレードに一日の長があった。ホーム(といっても、日ごろ使用している本拠地クーパーズ・スタジアムではなく、5万人収容のクリケット競技場アデレード・オーヴァル)に押し寄せた50,119人の大観衆の前で、3-1と完勝。初めてのAリーグ王者の栄冠に輝いた。

 前回、GFに進出したのは2009年で7年越しの願い、そして、過去9回ファイナル進出しているので、その意味では”九度目の正直”とも言える勝利にアデレードの街は大いに沸いた。

 敗れたWSWは設立以来、わずか4シーズンで既に3回ファイナル進出を果たし、しかも、そのいずれでもグランド・ファイナル進出を成し遂げた。トニー・ポポヴィッチ監督の手腕の確かさは間違いないのだが、なぜかGFだけは相性が悪い。今回も栄冠に一歩及ばず、これでGF3連敗となってしまった。

 今やWSWの関係者やファンにとってGFは鬼門に成りつつある。小野伸二が惜しくも果たせなかった大目標でもあり、心情的にはWSWに勝たせてやりたい気持ちがなかったわけではないが、今回もWSWに勝利の女神がほほ笑むことは無かった。

 もちろん、それで勝敗が決まるわけではないが、「アデレード優勝」のほうが、よりドラマ性があったのは事実――何せ、最下位からの大逆転劇なのだから。

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