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日本代表 8年前

五輪代表、OAとの融合が最重要課題。興梠・塩谷・藤春に求められる短期間での浸透

text by 元川悦子 photo by Getty Images

興梠をどう活かす? 大島はイメージ掴む

興梠慎三
興梠慎三も攻撃の重要なピースとして機能できるかどうかが気になるところ【写真:Getty Images】

 2011年U-17W杯(メキシコ)出場経験のある室屋は「国際大会で対峙するサイドハーフの選手は個人の力が高い選手が多い。再度の攻防はすごい重要になってくる」と強調する。サイドで主導権を握ることがグループステージ突破、ひいては指揮官が目論むメダル獲得への大きなカギになる。

 塩谷、藤春は得意な攻め上がりを封印して守りに徹する時間帯が長くなるかもしれないが、自分なりにしっかりと折り合いをつけながら、最善のプレーを選択していく必要がある。国際大会初参戦の2人には難しいテーマになるが、これまでJリーグの舞台で蓄積してきた経験値を最大限凝縮させて挑むしかない。

 一方、興梠も攻撃の重要なピースとして機能できるかどうかが気になるところ。「2トップか1トップか分かんないけど、そのへんで(監督は)見ていると思う。いつもチームでやっていることが評価されて呼ばれたわけだから、日頃やっていることをやれればいい」と本人は浦和でのタスクをこのチームでもストレートに出していく考えだ。

 そのためにも出し手側との息の合ったコンビ確立は不可欠。大島僚太(川崎)は「興梠選手の裏への動き出しっていうのはJリーグで対戦している時から素晴らしいですし、足元のポストプレーにもすごく入ってきてくれるっていう印象がある。そこのサポートを練習でやっていければいい」と具体的なイメージを語る。

 遠藤航や原川力(川崎)、矢島、中島といった選手たちがそういう共通認識を持って興梠を動かすことが重要だろう。興梠自身も久保や浅野ら他のFW陣の特徴をいち早く理解し、ピッチ上での一挙手一投足に落とし込んでいく必要がある。今の彼にはかつてないほど迅速にその作業を進めていくことが求められている。

 21日にはブラジルへ向かったリオ五輪代表。彼らの調整はアラカジュ入りしてからが本格化する。18人全員が揃った状態でチームはどう進化するのか。オーバーエージが上手く融合し、いい化学変化を起こすことができれば、勝機は見えてくる。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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