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ネイマールをセレソンの中心に。ドゥンガ監督第二期。闘将がクラッキを主将にした理由【フットボールと言葉】

シリーズ:フットボールと言葉 text by 竹澤哲 photo by Getty Images

かつての闘将が思い描く、新しいリーダー像

日本戦では4ゴールを奪ったネイマール
日本戦では4ゴールを奪ったネイマール【写真:Getty Images】

 ネイマールがさらなる大活躍をみせたのが、10月11日、北京で行われたアルゼンチン戦と14日にシンガポールと行われた日本戦だった。対日本戦ではネイマールは4得点を叩き出している。試合後の記者会見でドゥンガはネイマールをベタ褒めした。

「招集された全員が代表に貢献しなくてはいけないと私は選手たちに話してきたが、その中でもネイマールの成長は著しく、キャプテンとしてもとてもよくやっている。特に重要だったのは、彼がフットボールを楽しんでやっているということだ。

 風邪気味なので休んだ方がよいかと思ったが、3対0となっても彼はピッチに残りたがった。セレソンの試合でありながら、彼はあたかも友達と一緒に草サッカーを楽しんでいるかのようだった」

 その後もドゥンガは勝利を重ねていく。11月にはトルコとオーストリアでいずれもアウェイで戦い勝利している。6試合で6勝、16得点のうちネイマールが7得点を叩き出している。

 ドゥンガは3月16日に行われたスポーツTVのインタビューにおいて、彼が描く新しいキャプテン像について説明している。

「ネイマールは新しいタイプのリーダーだ。かつてのカルロス・アルベルトやカフー、ジェルソンといった昔のタイプとは異なる。今日では、リデランサの取り方も変わってきている。練習以外ではよく会話をしたり、またふざけあったりするのも重要となっている」

 ドゥンガはネイマールのようなクラッキが他にはいないというセレソンの現状も認めた。

「過去のセレソンの例を出してばかりではいけないが、以前ならば、ヨーロッパで活躍し、お手本となる選手が数人いた。たくさんの得点決めて、いいプレーをするような並外れたプレーヤー、例えばロナウド、カレッカ、ロマーリオ、リバウドといったよう選手が複数人代表にいた。しかし今日ではネイマール以外いないのだ」

(取材・文:竹澤哲)

【次回に続く】

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