日本代表は本当に“守備的”だったのか。データが明らかにするオーストラリア戦の真実【データアナリストの眼力】

10月11日、ワールドカップアジア最終予選のオーストラリア戦に臨んだ日本代表。グループ最強の敵と目されるチームを相手にアウェイで引き分け、勝ち点1を獲得した。ボール支配率で日本がオーストラリアを下回ったためか、「主導権を握られた」「守備的だった」という悲観的な見方もあったが、データアナリストの庄司悟は異論を唱える。(分析:庄司悟/文:中山佑輔)

2016年10月20日(Thu)10時19分配信

シリーズ:データアナリストの眼力
text by 中山佑輔 photo Shinya Tanaka, Getty Images
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イラク戦と大きく異なる「パス受け」のデータ

【表1】イラク戦とオーストラリア戦それぞれにおける日本代表のパス成功数とパス受け数。パス受け数が多い順に並べており、各選手のパス成功数とパス受け数のうち多い方を赤字にしてある。
【表1】イラク戦とオーストラリア戦それぞれにおける日本代表のパス成功数とパス受け数。パス受け数が多い順に並べており、各選手のパス成功数とパス受け数のうち多い方を赤字にしてある。

 2018ロシアW杯アジア最終予選、日本代表はホームでの初戦、UAE戦を落とし、黒星スタートを切った。その後タイ、イラクを相手に連勝するも、アジアの戦いにあって、内容面で芳しくない試合を続けており、日本がアジアをリードする存在であるとは言い難い状況になっていた。

 そのような状況下でヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は、オーストラリアとのアウェイ戦に臨んだ。決して調子が良いとは言えない日本代表にとって、この試合は、これまでの同国との試合以上に難しいものになるのではないかと予測されていた。

 結果として日本とオーストラリアの試合は1-1の引き分けに終わったが、日本代表の主たるプレー位置が低めに設定されていたことから、オーストラリア側も含めて、日本の戦い方が「守備的だった」と見る向きは少なくない。

 だが、データアナリストの庄司悟はオーストラリア戦の日本代表は必ずしも守備的だったとは言えないものだと主張する。

「オーストラリア戦の日本が守備的だったという声もあるようですが、単純にそうは言いきれないと思います。確かにボールポゼッションの観点でいえば、オーストラリアが優位だったかもしれません。ですが表1を見てください。これは、イラク戦とオーストラリア戦における日本のパスについてのデータになります。それぞれ『パス受け数』が多い順に並べていて、パス受けよりパス成功数が多くなっている選手は、『ボールを奪って味方に繋げている』選手ということですね。すぐにわかると思いますが、両者には大きな違いがあります。

 ゲームの展開から容易に想像がつくように、まずチームとしてのパス成功本数が大きく違います。イラク戦は366本で、オーストラリア戦は194本。ですが、注目すべきはそこではなく、パス受けのパーセンテージです。イラク戦では森重、吉田ら後方の選手を中心にボールが回っていたのに対し、オーストラリア戦でパス受け上位に来ているのは本田、香川、原口、小林なんです」

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