久保は「“セカンドストライカー”として面白い」(ハリルホジッチ監督)
オマーン代表との国際親善試合、そしてサウジアラビア代表とのワールドカップ・アジア最終予選第5戦へ臨む代表メンバー25人が発表された4日。ハリルホジッチ監督は、初めて招集する久保にこう言及している。
「彼に関しては、フットボールの世界では『セカンドストライカー』と呼ぶ。クラブではディフェンスラインの背後やニアサイドへ走っていく、衛星的な動きを見せている。我々は普段は3トップだが、久保が入ることでアイデアが増える。
ひとつのオーガナイズが上手くいかなかったとき、もしかしたら4トップになるかもしれない。2人のアタッカーをサイドに置き、真ん中にも2人のフォワードを置く形だ。点を取りに行く場面でのソリューションのひとつで、久保はそのときの『セカンドストライカー』として面白いと思っている。それ以外(の役割は)少し難しいのではないか」
ヤングボーイズでもオアロの周囲を絶え間なく動き回り、ゴールとチャンスに絡んできた。もっとも、それが指揮を執って2シーズン目になる、オーストリア人のアドルフ・ヒュッター監督から求められる仕事だと久保は力を込める。
「代表に来れば監督も違うし、求められることをやれればと思う。2トップのほうが合う? あまりそういうことはないですけど、いまはチームが2トップなので、多分、それが合うと思われているのかなと」
決して多くは発しない言葉と言葉の隙間から読み取れるのは、もし求められれば1トップでも、あるいはサイドのアタッカーもできるという矜持。実際、4年前に久保を抜擢したザッケローニ監督はこんな言葉を残している。
「すべてを器用にこなせる、近代的なフォワードだ」
目指している究極のスタイルは、前線においてオールマイティーな存在になること。だからこそ、久保は胸中に秘めている思いを抑揚のない口調で、男は黙して多くを語らずとばかりに簡潔な言葉で紡いだ。
「どういうシステムであれ、自分は攻撃的な選手なので、どこからでもゴールを狙えるような貪欲さは見せていきたいと思います」