オマーン戦は親善試合。チャンスを得られる可能性
リオデジャネイロの地で指揮官とエースストライカーの関係になるはずだった、U‐23日本代表の手倉森誠監督とも鹿嶋の地で再会を果たした。9月からハリルジャパンのコーチに就任した手倉森氏からは、熱い檄を飛ばされた。
「積極的にガンガンいけ!」
五輪の話はいっさいしていない。いや、する必要もない。もう過去は振り返らない。2年後のワールドカップ・ロシア大会へと通じている道がいま、目の前に開けた。あの悔しさがあったからと、笑い飛ばせる未来にできるかどうか。すべては久保自身にかかっている。
「選手それぞれがタイプが違うと思うので。僕は僕で自分らしさを出していきたい。まずは試合に出ないと話にならないので、いまは練習でしっかりアピールすることしか考えていないですね」
親善試合となるオマーン代表戦は、6つの交代枠が使える。所属クラブで出場機会が少ないヨーロッパ組のリハビリに当てられることが予想される一方で、ハリルホジッチ監督はこうも語っている。
「あまり代表でプレー機会のない選手にも、チャンスを与えようと思っている」
4年前のアイスランド代表戦は、ベンチに座ったまま3‐0の快勝を告げるホイッスルを聞いた。4年越しに果たすA代表デビューから、黙々と自らの仕事に徹するサムライをほうふつとさせる久保の新たな戦いが幕を開ける。
(取材・文:藤江直人)
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