A代表は「やっぱりレベルが高いですね」
4年9ヶ月もの歳月を越えて味わうA代表の雰囲気。その間に高校生からJリーガー、そしてスイスの古豪・ヤングボーイズの主力へと駆け上がったFW久保裕也は「やっぱりレベルが高いですね」と充実感を漂わせた。
2012年2月24日に長居スタジアムで行われた、アイスランド代表との国際親善試合。当時のアルベルト・ザッケローニ監督は日本サッカー協会に対して、国際Aマッチデー以外の代表戦開催を強く要望していた。
理由は新戦力の発掘。ヨーロッパ組を招集できないことを承知のうえで、Jクラブに所属する25人の選手がリストに書き加えられた。そのなかに、京都サンガユースからトップチームに昇格したばかりの久保が名前を連ねていた。
「4年前は国内組だけでしたし、今回は海外組も含めて、ということなのでまた違うと思っています。選出を知らされたとき? 素直に嬉しかったですし、チームで結果を出せたから呼ばれたのかなと思っていますけど」
当時の日本サッカー界には、久保が残した衝撃の余韻が残っていた。J2のサンガが快進撃を続けた天皇杯。横浜F・マリノスとの準決勝でまばゆいスポットライトを浴びたのが、サンガに第2種登録されていた18歳の久保だった。
延長戦の前半終了間際から投入されると、PK戦突入の気配が漂い始めた同後半11分に勝ち越しゴールを一閃。アディショナルタイムには力強いドリブル突破から、MF駒井善成(現浦和レッズ)のダメ押し弾をアシストした。
FC東京に敗れはしたものの、快晴の国立競技場で行われた元日決戦でも一矢を報いるヘディング弾をゲット。当時の大木武監督(現FC今治メソッド事業部アドバイザー)は、久保に秘められた潜在能力をこう評していた。
「ゴールの匂いを嗅ぎ取れるフォワード。いままで見てきた日本人選手で、一番シュートが上手い」