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日本代表 7年前

吉田麻也がサウジ相手に警戒する「ファウル」。ポイントは攻撃時の守備オーガナイズ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「あらゆる予測をしながら工夫していかなきゃいけない」(吉田麻也)

 フランスで開催された今夏のユーロ2016を制した、ポルトガル代表の最終ラインを支えた32歳のジョゼ・フォンテ。そして、サウサンプトンの選手およびサポーターによって昨シーズンのMVPに選出された25歳のフィルジル・ファン・ダイクは、オランダ代表としてのキャリアも刻み始めた。

 決して腐ることなく、日々の練習で実力者たちと切磋琢磨してきた。だからこそ、グループKで2位につけるUEFAヨーロッパリーグと5回戦進出を果たしているリーグカップの全6試合で吉田は先発フル出場。ゲーム勘やゲーム体力への不安を感じることなく、ハリルジャパンに合流している。

「奪われてすぐに前の選手がファウルで止めてくれて、僕たち後ろの選手が最後のところで尻拭いをする、という形が理想ですけど。僕たちがボールをもつ時間が長くなると思いますけど、試合のなかで常に流れが変わるので、あらゆる予測をしながら工夫していかなきゃいけない。頭を使いながら、賢くいかないと。今回はいつもより時間が多少あるので、(ボランチの選手たちと)話す時間が割と長いかな。新しい選手も入ってきているので」

 2016年の最後となるサウジアラビア戦は、ワールドカップ・ロシア大会出場を目指すうえで極めて重要な意味をもつ。3勝1分けの勝ち点10でグループBの首位に立つサウジアラビアに対して、日本は2勝1分け1敗の同7で3位。勝てば2位のオーストラリアを巻き込んだ大混戦のまま来年の後半戦へ突入できるが、負ければロシアへの切符を自動的に獲得できる2位以内が遠くなるばかりか、UAEにも抜かれて4位に転落しかねない。

「ここで首位を叩くのは、絶対にやらなきゃいけない仕事。予選のなかでいくつかキーになる試合がありますけど、サウジアラビア戦はまさにそれになる。UAE、イラクとホームで正直、満足のいくパフォーマンスを見せられていないし、これ以上ホームでふがいない試合をすることはできない。9月、10月、そして11月のシリーズは本当にタフだったけど、必ず勝って、勝ち点3を手にして2016年を終えたい」

 エースストライカーのアルサハラウィを復帰させ、まさに万全の状態で挑んでくる難敵を封じ込め続け、いい流れを自分たちの力で手繰り寄せた先に攻撃陣のゴールを待つ――。ハリルジャパンが進む道を大きく左右しかねない、まさに運命の大一番はチケットが前売り段階で完売した埼玉スタジアムを舞台に、今夜19時35分にキックオフを迎える。

(取材・文:藤江直人)

【了】

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