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Jリーグ 7年前

【英国人の視点】常勝軍団・鹿島、CS決勝に抱く底知れぬ自信。“挑戦者”は2S絶不調も、火傷するのは“王者”浦和?

Jリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップの第1戦が29日にいよいよ開催される。1stステージ王者として出場する鹿島アントラーズと年間総合1位の間には勝ち点15も離れており、拮抗しているとは言い難い。鹿島は1年を通して首位に立っていたのは2週のみだったが、あと2試合でJリーグ王者の座を掴み取ろうとしている。キャプテンの小笠原満男や西大伍はチャンピオンシップに向けて底知れぬ自信を抱いている。果たして年間首位の浦和は火傷を負ってしまうのだろうか?(取材・文:ショーン・キャロル)

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

いよいよCS決勝。拮抗しているとは言い難い大一番

鹿島
1stステージ優勝でCS出場権を獲得した鹿島アントラーズ【写真:Getty Images】

 さて、いよいよだ。浦和レッズ対鹿島アントラーズの激突により、2016年のJリーグ王者に戴冠するチームが決まる。日本サッカー界最大のクラブと、日本サッカー界で最も成功を収めてきたクラブというカードは、不幸な運命を辿った2ステージ制に終止符を打つ上では理想的な形だと言えるかもしれない。

 とはいえ、楽しみなカードであることは確かだとしても、年間総合順位を眺めてみれば両チームが拮抗した状態でこの大一番を迎えるとは言い難い。

 34節を戦い終えて、アントラーズはレッズに勝ち点で15ポイントの差をつけられ、得失点差では14点も劣っていた。セカンドステージでは早くもバカンスに入っていたかのようだった。わずか勝ち点20の11位という成績で終えており、レッズが同ステージで獲得した勝ち点41の半分にも届かなかった。

 セカンドステージで勝利を収めたのはわずか6試合。最後の4連敗も含めて9敗を喫しており、ラスト2試合はゴールを奪うことすらもできなかった。ホームでの川崎フロンターレ戦とヴィッセル神戸戦にいずれも0-1で敗れてしまっている。

 結局のところ、ファーストステージを制してプレーオフ進出をすでに決めていた以上、シーズン後半戦の17試合は鹿島にとってさほど意味を持たないものだった。

 彼らが戦えていなかったというわけではないが、敗戦が何の悪影響ももたらさないのであれば、勝利を得るために全力を尽くすモチベーションを維持するのがより難しくなるのは理解できる。昨年のファーストステージで無敗優勝を飾った浦和が、セカンドステージでは首位サンフレッチェ広島に9ポイントの差をつけられてしまったことも一例だ。

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