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Jリーグ 7年前

浦和・西川周作の「いつも通り」が勝因に。守護神のブレない信念が手繰り寄せた敵地での先勝

浦和レッズは29日に行われたJリーグチャンピオンシップの第1戦で鹿島アントラーズと対戦し、1-0で先勝を収めた。試合の行方を左右したのは、浦和のGK西川周作のセーブだった。守護神の「いつも通り」の姿勢が決定的なセーブを生み出し、決勝点となったPKに繋がっている。このブレない信念こそが、今の浦和の強さを象徴している。(取材:舩木渉、ショーン・キャロル、チェーザレ・ポレンギ/文:舩木渉)

text by 舩木渉 photo by Shinya Tanaka , Getty Images

浦和、敵地で先勝。GK西川の「いつも通り」のプレーが勝因に

西川
浦和のGK西川周作【写真:田中伸弥】

 昨年とは違い、1点の重みを理解する両チームだからこそとも言える堅い試合だった。29日に行われた明治安田生命Jリーグチャンピオンシップ決勝の第1戦は、浦和レッズがPKの1点を“守って”鹿島アントラーズに1-0の勝利を収めた。

 ホームで失点したくない鹿島と、引き分けでも問題なかった浦和。今季からレギュレーションが変わり年間順位が上のチームが有利になったため、2試合で7ゴールが生まれた昨季のような点の取り合いは起こらなかった。

 前半から決定機の数は少なく、結局は後半、興梠慎三がペナルティエリア内のボールに関係しない場面で西大伍に倒されてPKを獲得し、阿部勇樹が冷静に決めて浦和が先制すると、終盤の鹿島の猛攻を全員守備でしのいで勝ち切った。

 こういった試合ではPKを獲得した興梠の動きや柏木陽介のクロスなどがフォーカスされがちだが、浦和の勝利を引き寄せた最大の要因はGK西川周作の「いつも通り」のプレーだった。

 後半の51分、浦和は右サイドのビルドアップでもたつき、ミスを金崎夢生に引っ掛けられて鹿島にカウンターを浴びる。土居聖真のスルーパスに抜け出した遠藤康がGKと1対1の局面を迎えたが、利き足でない右足から放たれたシュートは西川が体を張って止めた。

「ああいう後に必ずチャンスが来るなと思っていた」

 そう西川が語ったとおり、57分に阿部のPKで決勝ゴールが生まれた。そして西川のプレーは単なるスーパーセーブでは片付けられない、浦和のチーム全体がCS決勝に懸ける姿勢が結実したシーンだった。

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