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Jリーグ 7年前

鹿島、脈々と連なる「常勝軍団」のバトン。プラチナ世代へ引き継ぐための大一番。8度目の年間王者へ描くシナリオ

text by 藤江直人 photo by Getty Images

昌子「最低限0-1のスコアを保てたのはよかった」

昌子源
ディフェンスリーダー昌子源【写真:Getty Images】

 ゆえに「アウェイゴールを与えずに勝つ」こと、つまりは完封勝ちが必要と昌子は言及したわけだ。実際には青写真を具現化させるどころか、引き分けにすらもちこめなかったが、希望の灯は何とか紡いだ。

 1点のビハインドを背負い、チーム全体がさらに攻勢に転じた33分間プラス5分間の後半アディショナルタイム。センターバックを組む元韓国代表のファン・ソッコと、昌子はこんな言葉をかけあっていた。「最低限、この1点差をキープしよう!」
 
 前がかりになった背後を突かれ、追加点を奪われれば、第2戦を待つことなく決勝戦が終焉を迎えかねない。同点に追いつきたい思いとのはざまで、昌子は必死にリスクマネジメントを徹底した。

「負けることはもちろんよくないけど、最低限、0‐1のスコアを保てたのはよかった。後半の最後はウチがずっと攻めている状態でしたけど、カウンターで一発という点は浦和さんも強いので。

もちろんウチが同点にすればいい形となりましたけど、0‐2にされるのが一番嫌だったので。浦和さん相手だと堅い試合になるし、今日もなかなかオープンの展開にはならなかった。そのなかでホームのウチが相手をゼロに抑えることは、かなり重要な意味をもつことはわかっていた。それほどヤバい、危ないと思えるシーンもなかっただけに、非常に残念なんですけど」

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