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本田圭佑 7年前

本田圭佑、先発予想もなぜベンチスタートだったのか? 指揮官の決断が意味する10番の現状

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

敗戦もローマ相手に健闘。浸透したモンテッラ監督の戦術

 健闘の秘訣となった要素も、ずばりここまでの試合で仕上げられたサッカーそのものだ。守備の際には4-5-1のような形になって収縮。そしてボールを奪うと両サイドバックが高い位置を取り、中盤は下から組み立て、スソやニアンは相手の最終ラインとMF陣の間にポジションを取ってチャンスを作る。これが今のミランの基本となるサッカーだが、ローマ相手にこれを潰されるどころか、きちんと機能して攻めることができていた。

 ローマの各選手はタフにプレスを掛けにくるが、怯まずに自分たちも勤勉に走ってボールを奪いに行き、狭いゾーンに間をとってボールをつなぐ。好調のスソはいざ知らず、この日は中盤の他の選手も見事な構成力を見せていた。

 このところスタメンを確保しているマリオ・パザリッチ、そして久々の出場となったベルトラッチは、シンプルにショートパスをつないで自らも前に飛び出す。中盤からのドリブルで活路を作るジャコモ・ボナベントゥーラの代わりに、彼らはショートパスの交換で前にボールを運んでいたのだ。

 その結実となったのが、PKを呼んだ前半27分のプレーだ。高い位置でボールを奪ったのち、スソがベルトラッチへと素早くつなぎ、ベルトラッチからはDFラインの裏のスペースへ果敢に飛び出したジャンルカ・ラパドゥーラ目掛けてスルーパスが入る。このPKをニアンが決めていれば、ミランは試合の主導権を完全に掌握できたに違いない。

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