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本田圭佑 7年前

ミラン、7位転落で叫ばれる「危機」。急成長のサンプに対抗手段は? 戦術変更もやむなしか

ミランは現地時間5日のセリエA第23節でサンプドリアと対戦する。ここ4試合で1分3敗と停滞する中、崩しの切り札であるジャコモ・ボナベントゥーラが長期離脱。戦術家マルコ・ジャンパオロに率いられ急成長を遂げるサンプドリア相手に対抗手段はあるのか。(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

7位転落も…ミラン指揮官は成長を強調

モンテッラ
ミランのヴィンチェンツォ・モンテッラ監督はチームの成長を強調する【写真:Getty Images】

 4戦で1分3敗、順位も7位転落。成績がこうだと、今季はミランを賞賛し続けてたメディアが一転して「危機」を叫ぶようになった。これまで好セーブを続けてうなぎのぼりで評価を上げてきたGKジャンルイジ・ドンナルンマでさえも批判の対象となっている。

「(29日の)ウディネーゼ戦で敗れた結果がこれなのだから、我々がもっと向上していかなければならないことは明白だ」とヴィンチェンツォ・モンテッラ監督は4日の記者会見で語った。しかしその一方「チームの成長が止まっているのでは?」という質問については異を唱えていた。

「重心の高さやボール支配率、クロス数などのデータを見てもらえばチームの成長ははっきりとわかる。今がひどい時とも思っていない。今は(チームの出来に)手応えがあるが、開幕の時はそれもなかった」と指揮官は力説する。

 確かにそれは、試合内容を見ていればわかる。前半戦で勝ち点を稼いだ時は苦戦しながらも、勝負どころを見逃さずに勝った試合も多かった。むしろここ最近の方がイニシアチブを取った戦いができている。それはモンテッラの言う通り、観戦した印象としても、スタッツにも表れている。

 とはいえここ最近の負け試合は、やはり敗れるべくして敗れている部分があった。ウディネーゼ戦も完璧に攻略されていた。アンカーのマヌエル・ロカテッリに対して執拗にプレッシャーをかけられ、低い位置からの組み立てを寸断される。両サイドバックには2人の逆足アタッカーを張りつけられ、簡単に裏を取られた。

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