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ドルト、逃し続けた“ワンチャンス”。超攻撃的姿勢で圧倒も…ベンフィカに叩き込まれた「CLの心得」

ドルトムントは現地時間14日、チャンピオンズリーグ(CL)ベスト16の1stレグでポルトガルのベンフィカと対戦し、アウェイで0-1の敗戦を喫した。攻撃的な布陣で前半は相手を圧倒していたドルトムントは多くのチャンスを作り出すが、次々とチャンスを逃してしまう。逆にベンフィカがセットプレーからワンチャンスを決めて先勝をモノにしている。日本代表の香川真司に出番は訪れなかったが、「いくら前半にいい試合をしていても、ワンチャンスを決められたら意味がない」と振り返っていた。(取材・文:本田千尋【リスボン】)

text by 本田千尋 photo by Getty Images

ドルトムント、前半はベンフィカを圧倒するも…

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ベンチスタートのまま出番がなかった香川真司【写真:Getty Images】

 最初のチャンスをモノにした方が勝つ。2017年2月14日のチャンピオンズリーグ(CL)決勝ラウンド1stレグ、ボルシア・ドルトムントはアウェイでSLベンフィカと戦った。

 11日に行われたブンデスリーガ第20節ダルムシュタット戦で、チームとしての戦い方があやふやなままに惨敗したドルトムント。翻ってベンフィカ戦の前半では、それとは正反対の、見違えるようなパフォーマンスを展開した。

 [5-3-2]の布陣を採用しながら、決して引くことはなく、左右両WBのシュメルツァーとドゥルムは高い位置を維持する。さらに攻撃時には、ロイス、オーバメヤン、デンベレの3トップを形成した。デンベレは、右インサイドハーフとFWのポジションを行き来する。

 一見すると超攻撃的な姿勢は、前に人数を掛けることで敵陣でボールを奪われても奪い返し続けることに成功した。11分にはデンベレがピッツィから奪い返して、オーバメヤンにラストパス。オーバメヤンはGKと1対1の状況を外したが、23分にもドルトムントのゲーゲン・プレッシングが敵陣で機能し続けて、最後はデンベレがシュートまで持って行った。

 前線からの守備が上手くハマり、高い位置を取った両WBにより高いポセッション=62%を実現し、ベンフィカを圧倒する。38分にはゲレイロがエリア内の左に深く入り込んで折り返したが、ニアでオーバメヤンの右足はわずかに届かなかった。

 ベンチから戦況を見つめたシュールレは「特に前半戦、僕らはとても良かったね」と振り返った。

 「本当にボールをよく回したし、幾つかの素晴らしい決定機を作り出した」

 ベンフィカ戦の前半で、まるでダルムシュタット戦が嘘だったかのような、高いインテンシティと集中を実現する。

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