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原口元気、欧州トップ仕様への進化。他競技に学んだフィジカル論とメンタルの確かな成長【海外組の真価~日本人選手の現在地】

text by 元川悦子 photo by Getty Images , Etsuko Motokawa

原口が語ったメンタルの確かな成長。停滞の自己分析

原口元気
日本代表では最終予選で4試合連続のゴールを挙げた【写真:Getty Images】

 その結果が2016年日本代表でのブレイクだった。ご存知の通り、原口は2018年ロシアワールドカップアジア最終予選突入後、9月のタイ戦(バンコク)から11月のサウジアラビア戦(埼玉)まで4戦連続ゴールをゲット。日本代表史上初の新記録を達成すると同時に、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いるチームの救世主となった。今季序盤戦でのブンデスリーガでの活躍度も非常に高いものがあり、原口は昨年9~11月にかけて2つのチームで高度なパフォーマンスを見せ続けたのである。

 しかしながら、前述の通りサウジアラビア戦が終わった11月下旬からヘルタでの出番が徐々に減っていった。本人は停滞の要因を次のように分析する。

「自分みたいなハードにやらなきゃいけない選手はメンタル的な部分を充実させないとやっていけない。そこがちょっとでも低下するとうまくいかなくなるのはある。リーグ開幕戦とか代表戦の大事な試合のモチベーションで全てやるっていうのはやっぱり不可能。サウジ戦のような『グワーっていう気持ち』は、試合が多ければ多いほど失われていく。自分だって上に行きたくて仕方ないし、結果を残したくて仕方ないんだけど、どうしてもメンタル的な疲れってのはあるから。

 だけど、ホントにトップの選手、レアル(・マドリー)とかバルセロナとかバイエルンとかの選手って、メンタル面にムラがない。技術的、フィジカル的な部分はもちろんだけど、どんな試合でもモチベーションが失われてない。あれだけの選手たちが毎試合物凄いモチベーションでやれるところに成功の秘訣がある」

 自身を冷静に客観視できるようになったところも彼の確かな成長に他ならない。

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