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Jリーグ 7年前

盟友と父親が見たカズの雄姿。北澤、武田らが感服、50歳Jリーガーの存在価値

史上初の「50歳のJリーガー」が誕生した2月26日のJ2開幕戦には、FW三浦知良(横浜FC)の勇姿を目に焼きつけようと、かつて同じチームで戦った盟友たちも松本山雅FC戦が行われたニッパツ三ツ沢球技場に集結した。元日本代表で現在は日本サッカー協会理事などを務める北澤豪さん、武田修宏さん、そして父親の納谷宣雄さんの言葉を通して、50歳の現役Jリーガーの存在価値を探った。(取材・文・藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

40代と50歳の違い。向けられる視線が温かく

2月26日のJ2開幕戦に出場した横浜FCのFW三浦知良
2月26日のJ2開幕戦に出場した横浜FCのFW三浦知良【写真:Getty Images】

 年齢の十の位が変わるだけで、その場を支配する雰囲気が、向けられる視線がこんなにも温かいものに変わるものなのか。

 盟友カズの50歳の誕生日と重なった、2月26日の松本山雅FCとのJ2開幕戦へ駆けつけた元日本代表MFの北澤豪さんは、眩いスポットライトを浴びるカズの姿に思わず目を細めた。

「幸せだね。幸せ感しか漂っていないよね」

 カズが不惑を迎えてから、特に45歳を超えてからは、サッカーに対するストイックで真摯な姿勢に感銘を受け続ける一方で、心を痛めることも少なくなかったという。

「周りから聞こえてくるのは、どうしても『いつまでやるの?』となるじゃないですか。それが50歳になると、そういうことがなくなる。周りから否定的に見られないというか、40代のころとは人の見方が変わってくる。今日ここに来てみて、僕のなかで心配ごとがなくなりましたね。

 50歳という年齢もそうですけど、やっぱりカズさんが積み上げてきたものがあるからじゃないですか。メディアの皆さんも含めて、すべてが祝福している。こんなに幸せなサッカー選手はいない。日本のサッカーの歴史にまたひとつ、深く、重みのある1ページが加わりましたよね」

 会場となったニッパツ三ツ沢球技場には74社、トータルで206人ものメディアが集結した。J2の公式戦では突出した数字であり、カズの生き様に興味を抱いたドイツのメディアも含まれていた。横浜FCだけでは対応が大変だと、日本サッカー協会やJリーグからは援軍が駆けつけたほどだ。

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