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Jリーグ 7年前

盟友と父親が見たカズの雄姿。北澤、武田らが感服、50歳Jリーガーの存在価値

text by 藤江直人 photo by Getty Images

J開幕時の父親とほぼ変わらない年齢に

北澤さんと武田さんは、かつてヴェルディ川崎でカズとともにプレーしていた
北澤さんと武田さんは、かつてヴェルディ川崎でカズとともにプレーしていた【写真:Getty Images】

 迎えた1993年5月15日。いまは取り壊された国立競技場で繰り広げられたヴェルディと横浜マリノスの歴史的な開幕戦を、カズの父親、納谷宣雄さんも観戦している。このとき51歳。四半世紀近い歳月が流れたいま、息子が当時の自分とほぼ変わらない年齢になった。

 ピッチに立つたびに歴史を塗り替えるカズの姿に目を細めながらも、いつかは誰にでも訪れる現役引退の瞬間へ、父親としての偽らざる本音ものぞかせる。

「去年の11月から開幕戦に合わせて準備してきて、出られた。それだけで十分だよ。いくつまで? アイツが燃え尽きる前にね。まあ、アイツが自分で決断するよ」

 現役時代にブラジル代表の守護神として4度のワールドカップに出場し、引退後は清水エスパルスやヴェルディで監督を務めたエメルソン・レオン氏と納谷さんはいまでも親交がある。地球のちょうど裏側に位置するブラジルからは、カズを心配する声がよく寄せられるという。

「レオンをはじめとして、みんな知良の体のことを心配している。取り返しのつかないけがをしたら大変だから、早くやめさせろと。オレも75歳だから、50歳のときにどうだったかは忘れちゃったけど、50歳くらいの人に聞くと、みんな『すごい。信じられない』と言うからね」

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