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Jリーグ 7年前

盟友と父親が見たカズの雄姿。北澤、武田らが感服、50歳Jリーガーの存在価値

text by 藤江直人 photo by Getty Images

カズにとって思い出深いスタジアムである三ツ沢

 三ツ沢はカズにとって思い出深いスタジアムでもある。1990年10月28日。ブラジルの名門サントスから鳴り物入りで読売クラブに移籍したカズが、日本リーグの開幕戦を迎えた場所でもあった。

 相手は日本鋼管。いまでは象徴となっている「11番」を別の選手がつけていたため、「24番」で先発出場したカズはコーナーキックから先制点をアシストし、追加点となるPKも決めた。

 そして、とどめを刺す3点目を華麗なオーバーヘッドから決めた武田修宏さんも、三ツ沢に駆けつけていた。最近はバラエティー番組への出演が多いこともあって、カズからは「武田さんでしたっけ。名前は忘れちゃったんですけど、来ていましたね」とイジられたが、心を震わせずにはいられなかった。

「読売クラブの時代から三ツ沢で何度も同じピッチに立ってきたカズさんが、何十年たっても変わらない。まだプロがなかった時代に一緒にプレーしたカズさんが、守備でも献身的に自陣にまで下がって、65分間もプレーしている。努力の賜物だし、その意味では僕自身もパワーをもらいました」

 1年後には読売クラブの下部組織出身で、修徳高校卒業後は本田技研でプレーしていた北澤さんが移籍。クラブ名称もヴェルディ川崎となり、司令塔・ラモス瑠偉、闘将・柱谷哲二を含めて、個性が際立ったスター軍団として黎明期のJリーグをけん引する強烈な輝きを放った。

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