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日本代表 7年前

【識者の眼】香川&清武の同時起用か、あるいは倉田か。ハリルJのジレンマを解消する中盤のチョイス

日本代表は28日、ロシアワールドカップ・アジア最終予選でタイ代表とホームで対戦する。タイ代表は自陣に引いて守ることが予想されるが、そのような相手をいかに崩してゴールを奪うかは日本代表の課題となっている。それを解消する鍵は、中盤の組み合わせになりそうだ。インサイドハーフに香川真司と清武弘嗣を同時に起用するのか、あるいはG大阪で印象的なプレーを見せる倉田秋を起用するのか。ハリルホジッチ監督はどんな判断を下すのだろうか。(取材・文:河治良幸)

text by 河治良幸 photo by Getty Images , Shinya Tanaka

ハリルジャパンはタイ戦で“ジレンマ”を解消できるか?

ハリルホジッチ
日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督【写真:Getty Images】

 アウェイのUAE戦で2-0と勝利し、予選突破に向けて一歩前進した日本代表。しかし、ハリルホジッチ監督が試合後のロッカールームでいきなり「タイに勝たないと、UAEに勝利した価値が無くなる」と伝えた様に、ホームのタイ戦は最終予選の中でも絶対的に勝ち点3が求められる。

 そこで重要なテーマとなるのは引いた相手をいかに崩してゴールを奪うか。以前の代表でも同じ課題は抱えていたが、世界での戦いを見据えたハリルジャパンのベクトルとはある意味で相反するテーマであるだけに、“ジレンマ”にもなりうる。

 しかし、もともとパスを回しながら崩すスタイルを得意とする選手は多いだけに、監督のコンセプトというより選手の本来の資質が問われる試合になるかもしれない。特にキーマンとなるのは、中盤の攻撃的なポジションで起用される選手たちだ。

 本職のボランチが次々と離脱した事情もあり、クラブでしばしばボランチを担っている酒井高徳を中盤の一角に起用するオプションも浮上するが、UAE戦と同じ中盤を逆三角形にした[4-3-3]が引き続き採用される可能性もある。

 ただし、より攻撃的なチョイスもある。インサイドハーフに香川真司と清武弘嗣が並び立つ、あるいはUAE戦で途中出場した倉田秋を一角に配置する布陣だ。もちろん第一の目的はチームの勝利だが、この試合で輝きを放ち、起点のパスやアシスト、自らのシュートなどで得点に絡めば中盤のアタッカーとして存在価値をアピールできる。

 振り返れば二次予選の初戦はホームでシンガポールに攻めあぐねスコアレスドロー。最終予選ホームのUAE戦も先日のアウェイ戦よりボールを持つ時間が長く、チャンスの数自体は多い中で前半11分の先制点を奪って以降は得点を決め切れず、逆にFKとPKを決められて敗れている。

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