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日本代表 7年前

【識者の眼】香川&清武の同時起用か、あるいは倉田か。ハリルJのジレンマを解消する中盤のチョイス

text by 河治良幸 photo by Getty Images , Shinya Tanaka

「ボールを保持したなかで、課題としている戦いがある」(香川)

香川真司
タイ戦はボールを保持した時間帯に課題があると語る香川真司【写真:Getty Images】

 昨年9月のアウェイでのタイ戦では相手が攻撃時に中盤からドリブルで突っかけにきてくれたことで、やや間延びしたディフェンスの合間を有効に使えたが、ホームでは同じようにはならないだろう。

「おそらく僕たちがボールを保持したなかで課題としている戦いがある」と語る香川はUAE戦では言わば“中盤のバランサー”としてボールを拾い、前線につなぐ役割をこなしていたが、タイ戦では「自分たちが主導権を握る」時間帯での能動的なアクションが求められる。そのポイントの1つに“距離感”を挙げる。

「(攻撃の人数を)増やすこともそうですし、入れ替わることもそうですし、ポジションチェンジもそうですし、割りと今は固定されたポジションが多いなかで、時間帯や試合内容でリスクを負うという判断も含めてやる時間もあってもいい。あとは距離感もすごく大事なのかなと思います」

 基本的な崩しのパターンとしてはセンターFWの岡崎慎司あるいは小林悠との縦の距離を近くして、ワンツーから追い越してDFの裏に抜ける。または彼らがマークを引き付けて空けたスペースでサイドからのパスを受け、シュートやリターンのラストパスを狙うといったクイックな連携がうまく合えば、タイのディフェンスが人数を揃えていても合間を突くことは可能だ。

 また高い位置から引いた相手を崩すにはサイドを使った攻撃もより有効になる。前回のUAE戦は相手のサイドハーフを警戒し、両サイドバックがDFライン寄りに引き気味だった。ホームのタイ戦はラインの位置が高く、サイドバックも一段高い位置から攻撃に参加する機会は多くなるはず。

 二次予選の中立地イランで行われたアフガニスタン戦では香川とサイドハーフの原口元気、サイドバックの長友佑都のトライアングルが機能し、香川のミドルシュートによる先制ゴールを突破口として最終的に6ゴールを奪った。

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