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Jリーグ 7年前

15歳久保建英。J1デビューで見えた「天才」の成長に必要な2つの課題。底知れぬ才能潰さぬために

text by 元川悦子 photo by Getty Images

成長に必要な普段の環境面の改善

久保建英
成長が期待される久保建英【写真:Getty Images】

 ジュニア時代を名門・バルセロナの下部組織で過ごした久保は、サッカー界の厳しい現実を熟知している。だからこそ「今の時点で、自分は他の同年代の選手より半歩くらい前にはいれているかなとは思っているんで、スタートが早いだけじゃなくて、失速せずにこのまま上に行きたいなと思っています」と自戒を込めて語ったのだろう。

 久保が順調に成長していくためにまず必要なのは、日常的にレベルの高いプレー環境だ。彼は目下、FC東京U-18所属であり、普段はユース年代の選手と一緒にプレーしている。今回のルヴァンカップに向けて1週間だけトップチームに合流したものの、それは大型連休中の特例。5月11日からはU-20W杯に向けた強化合宿に入ることもあって、FC東京での今後の練習環境がどうなるかは、現時点で未知数だという。

「久保の場合はU-16、U-20と主に代表の中で揉まれてここまで来ている。自分がガンバ大阪時代に宇佐美(貴史=アウグスブルク)や家長(昭博=川崎)を17、18歳でトップに上げた時は、日頃のトレーニングの中で判断してきた」と西野技術委員長も言うように、指揮官は日常の練習をきちんと見なければ確証を得られない。

 チームメートにしても、ともに時間を過ごさなければ連携面の改善は難しい。「彼は技術が高いし、よく見えているんで、一緒にやっていく時間が増えればコンビネーションもよくなると思う」と高萩も期待を込めて話すだけに、学業面との兼ね合いを考えながら、トップ合流時間を可能な限り増やしてほしい。

 もう1つは重要なことがある。

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