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Jリーグ 7年前

G大阪移籍のファン・ウィジョ、J挑戦までの軌跡。地元ファンに愛された特別な存在

text by キム・ドンヒョン photo by Getty Images

運命に翻弄されたストライカー、激動の4年間

 だが、あいにくファン・ウィジョがプロ選手として城南FCに帰ってきた時、クラブは激変期の真っ只中だった。2013年まで経営に携わっていた親会社である一和がサッカー事業から撤退し、城南一和天馬の名前で知られていたクラブは、市民クラブの「城南FC」として再編された。予算は半分に激減し、スター選手は次々とチームを去った。当然、ユース出身の彼にかかる期待は当然大きかった。

 ファン・ウィジョはその期待にふさわしい大型新人だった。かつてセレッソ大阪でJリーグ得点王に輝いたファン・ソンホン(現FCソウル監督)に似たスタイル、正確さやパワーを兼ね備えたキック、守備での積極的な姿勢はまさしく新人離れしていた。そして2013シーズン、Kリーグデビュー戦となった水原三星戦でいきなり2ゴールを叩き込み、一躍国内にその名を轟かせた。

 彼の才能が本格開花したのは2015シーズンだった。爆発的な決定力でリーグ戦だけで15ゴールを奪った。城南FCの本拠地タンチョンスタジアムはファン・ウィジョの名前が入ったユニフォームで埋まっていた。ファンの人気者となり、同時にA代表まで上り詰めた最高のシーズンだった。

 しかし2016年、思わぬアクシデントが起こる。プライベートでの浮気が報道されたのだ。あいにくこれを機に調子も落ちていった。韓国代表での悲惨なパフォーマンスもファンから批判を浴びるのに充分であった。

 あの浮気報道で不当な批判も受けた。調子を落としたファン・ウィジョは、彼を中心に作った攻撃のシステムさえも狂わせた。結局シーズンが終わってみれば城南FCは2部へ降格していた。クラブ創設以来初の降格だった。

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