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日本代表 7年前

日本代表、サウジ戦を試金石に。新戦力の見極め、ベテランの奮起を促す重要な一戦

ヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表は、先月31日のオーストラリア戦で来年行われるロシアW杯の出場権を獲得した。アジア最終予選はあと1試合残されているが、それをただの消化試合にしてはならない。未来への第1歩目として、新しいことを試す、あるいは既にあるものの完成度を高めるために重要な一戦となる。(取材・文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

ハリルジャパンは「第3段階」へ。サウジ戦のテーマは?

ハリルホジッチ
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は記者会見でW杯に向けた「第3段階」に入ったと述べた【写真:Getty Images】

「これから2018年ロシアW杯に向けて第3段階に入っていく」

 8月31日のロシアW杯アジア最終予選、天王山・オーストラリア戦(埼玉)を浅野拓磨(シュトゥットガルト)と井手口陽介(G大阪)のゴールで2-0で勝利し、6大会連続世界切符を獲得した翌朝。さいたま市内でトレーニングを行ったヴァイッド・ハリルホジッチ監督は円陣を組むや否や、こう宣言した。

「昨夜第2段階が終わり、今日から第3段階に入ったが、W杯への準備というのは最も難しい。大会の3週間前に始めるのではなく、ずっと前から始めないといけない。チームの意欲をより大きくし、勇敢に戦えるようにしたい」と指揮官は夕方の記者会見でも説明していたが、この日が本番への新たなスタートになったのは紛れもない事実だ。

 前夜の大一番を欠場した香川真司(ドルトムント)が左肩の状態を考慮して離脱を余儀なくされ、キャプテンの長谷部誠もチームを離れることになったが、それ以外の25人にとって次なる戦いは5日のサウジアラビア戦だ。

 すでに予選突破している日本にとっては消化試合だが、目下グループBで2位のサウジアラビアにとっては勝って自力でW杯出場権をつかみ取るべき重要な一戦だ。日中は気温40度近い酷暑となる敵地・ジェッダで、彼らは凄まじい勢いで向かってくるはず。そんな本気モードの中、次のステップに踏み出した日本に何ができるのかは非常に重要なテーマと言っていい。

 ハリルホジッチ監督はケガからの急激すぎる復帰によってダメージを受けている大迫勇也(ケルン)や、最終予選全試合出場の吉田麻也(サウサンプトン)、経験豊富な川島永嗣(メス)、長友佑都(インテル)らをスタメンから外すかもしれない。つまり、今回の日本は若手抜擢などさまざまなテストが可能になるのだ。

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