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日本代表 7年前

日本代表、サウジ戦を試金石に。新戦力の見極め、ベテランの奮起を促す重要な一戦

text by 元川悦子 photo by Getty Images

最終ラインは入れ替えか。長谷部不在の中盤は…

 サウジアラビア戦でまず試みるべきは、最終ラインの入れ替えだ。指揮官は6月のイラク戦(テヘラン)と今回のオーストラリア戦でGK川島、DF(右から)酒井宏樹(マルセイユ)、吉田、昌子源(鹿島)、長友という守備陣で固定してきたが、今回はGKに通算2キャップの東口順昭(G大阪)か、未だ出場のない中村航輔(柏)を起用する絶好のチャンス。

 特に中村は今季Jリーグで好セーブを連発していて、本気で向かってくるサウジアラビアにどこまで仕事ができるか見ものだ。この最終予選は西川周作(浦和)を含めて30代の選手を軸に戦ってきたため、そろそろ20代前半の守護神に台頭してほしい時期でもある。中村本人も「ロシアへ行きたい」と語気を強めていただけに、ぜひ思い切ったチャレンジをすべきだ。

 センターバックにしても、昌子と植田直通(鹿島)か三浦弦太(G大阪)を組ませる必要がある。今回の最終予選では吉田が昨年9月の初戦・UAE戦(埼玉)でいきなり警告1枚を受けながら、何とか9試合を戦い抜くことができたが、W杯本番で同じようにうまくいくとは限らない。長期離脱中の森重真人(FC東京)は完全復帰のメドが立たないため、どうしても若いDFコンビをトライしておく必要がある。

「次に(吉田)麻也くんを外す可能性は極めて高い。ナオ(植田直通)とは長いことやってるから心配していないけど、(三浦)弦太と組んだ時は自分の方が年齢でも代表キャップ数でもJリーグの試合数でも僕の方が上。なのでできるだけのサポートをしてあげたい。自分にとってもすごく大事な試合になる。僕はアウェイのイラク戦を経験したけど、アウェイの経験は滅多に積めるものじゃない。若手のフレッシュさを見せていければなと思います」と若手世代のリーダー格と言える男・昌子は自身の統率力やコーチング力を遺憾なく発揮していくつもりだ。

 左サイドに酒井高徳(ハンブルガーSV)や槙野智章(浦和)が入っても年長者をコントロールすることには変わらない。昌子が次世代のけん引役に相応しいか否かが試されるゲームになるだろう。

 中盤も長谷部が不在のため、アンカーを置かずにダブルボランチに戻す可能性が高い。そこで山口蛍(C大阪)と井手口が組めば確実に機動力は高まる。「自分は2枚でやるのが一番やりやすいかなと。(井手口)陽介ともその形でやったらどうなのかな」と山口も興味深そうにコメントしていたが、オーストラリア戦のアグレッシブさをそのまま出してくれれば非常にいいコンビになりそうだ。これもチェックしたい1つのポイントである。

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